九月の四分の一

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104594016
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

“世界一美しい”と言われる石畳の広場でひとり途方にくれていた。逃れるようにして辿り着いた場所で君と出会った。失ったはずの大切なものを僕は取り戻し、君はあいまいな約束を残して、追われるように姿を消した…。表題作ほか三篇。失われたときの痛みとぬくもり心のゆらぎを紡ぐ著者初の短篇集。

著者等紹介

大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年生まれ。2000年、『聖の青春』で第13回新潮学芸賞、2001年、『将棋の子』で第23回講談社ノンフィクション賞、初めての小説『パイロットフィッシュ』で第23回吉川英治文学新人賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむー

57
それほど嫌な感じはないけれど、かなり“セカイのハルキムラカミ”っぽいなと思ったら著者自身が村上チルドレンを自称してるのね。『もうすこしです』。四十過ぎても自分探し中な4人の男の一人称で語られるブンガク臭の色濃い短篇集。「報われざるエリシオのために」「ケンジントンに捧げる花束」「悲しくて翼もなくて」「九月の四分の一」各話のタイトルは好みな響き。「報われざる」と「九月」はムラカミ臭が強くてちょっと苦手。「ケンジントン」はまずまず、「悲しくて」がタイトル含めて一番合う感触だったかな。2015/07/26

あつひめ

32
まずは表紙の景色が気に入った。時が止っているのかそれとも遡っているのか・・・どちらだと思う?と試されているような景色。思い出の中にいる自分、そして相手・・・。手で触れることはなくても記憶の中に刻まれたものは消す事ができない。思い出を認めろ!!と訴えているような気がした。三笠竜が登場するとは思ってもいなくて、やはり地元を舞台にしてもらえるとすごく身近に感じて私もウォーーーと叫びたくなってしまった。九月四日の駅・・・素敵な名前があるんだなぁ・・・ロマンチックだなぁと行った事が無いパリの景色を思い浮かべた。2011/02/19

スノーシェルター

15
村上春樹?と思った。なんとなく似てる。どの話も静かに切なく流れていく感じ。繊細な男の人達の話。2013/09/11

ぽぽ

12
タイトル借り。四編からなる短編集だが、どれも人生の岐路に立った男の旅行記。全てが一人称の似てる主人公だからだろうか、エッセイっぽく感じた。翻訳のような文章がお洒落すぎて少しムズムズ。私にはちょっと大人すぎたかな。でも2話目の「ケンジントンに捧げる花束」は爽やかで好き。キリン通貨のくだりがお気に入り。2014/09/16

ライアン

11
こちらも10年くらいぶりに再読。短編集だが大崎さんの小説の中ではかなり好きな方。4編ともにちょっと切なくなる感じ。一番好きなのは「悲しくて翼もなくて」かな。「悲しくて切なくて翼もなくて」で始まる歌詞は心揺さぶられた。2015/04/21

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