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内容説明
私は誰?これが本当の私なの?女の自意識は、それ自体、病である。そして、女の病気は女にしか分からない!21世紀ニッポンの闇の中から噴出した13の女たちの事件を、中村うさぎが読み解く。
目次
空っぽの椅子―同人誌“やおい”漫画家殺害事件
ファンシーな城の中の死―エリート医師妻誘拐殺人事件
人生の偽造パスポート―ラカン派精神科医婚約者殺し
殺意の蝉時雨―保育園長園児殺害事件
“有栖川宮妃”のファーストクラス―ニセ皇族の結婚披露宴詐欺事件
青木ヶ原樹海から出てきた女―事件を装って家出した市長の娘
虐待という因果―実子局部カミソリ切断事件
「容貌」という地獄―佐世保小六同級生殺人事件
親友をバラバラにした女―看護師三角関係殺人死体遺棄事件
通称「和歌山二大悪女」―和歌山マリオネット殺人事件
逃げ場所は心中―浮き草売春女テレクラ心中事件
霊能者は殺せと告げた―神奈川連続主婦殺人事件
バービー・ナルシシズムが生んだ狂気―赤い自転車連続通り魔事件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スパイク
22
たぶん、すべての女性のなかに、ここに登場してくる13人の女がすこしずついろんな割合で存在してるのだろうなと思う。誰もが本当の自分を探し求めている。それは自分の理想の姿ではなく他人に羨まれる理想の私であったり押しつけられた私であったりする。他者という鏡を通してしか自分の姿を確認できないのは男も同じなんでしょうが『私のこと好き?』『愛してる?』って聞くのはいつも女性性(女性と書いてしまうと非難されそうなので性をもひとつ付けておく)であるように思う。そう聞かれて、ううっと黙り込んでしまうのは”男という病”です。2015/06/21
厩火事
8
「人生を狂わす名著50」で紹介されていて読んで見ました。出てきた女性の気持ちが少し分かる部分もあるなっと思いながら読み終わりました。取り上げられているのは極端な事例なんですが、自分に対してや他人に対して引っかかる部分の1つの説明を手に入れた気がします。2018/05/20
gtn
7
著者は他人の心の闇を読み解く天才である。罪を犯した人間へも、どっぷり感情移入できるからだろう。特に、「赤い自転車連続通り魔事件」犯人と自分との重ね合わせ方が激しい。その犯人が、他人に感情移入できない女性だったとの分析もコントラストとなっていて面白い。2017/11/23
Aoi\(*ˊᗜˋ*)/
5
うーん、残念ながら合わなかった。実際起こった事件を著者が取材したものと想像で書いたもの。小説ではないな。でも、ルポでもない。女として、少なからず分かる気持ちもあった。でも何かしっくり来ないのは相性だなぁ。2016/07/14
わをん
5
普通のエッセイなのかな?と思って手に取ったのですが、読んでびっくり。実在する殺人事件を起こした女性、もしくは被害者女性の近辺を取材し、中村うさぎさんがその女性になりきり妄想し、女性の気持ちを考える、というものでした。とにかく濃く、重い。殺人以外にも家出少女の話もありました。小六少女同級生殺人事件の詳しい状況をこの本で知りました。加害者少女が美少女で、被害者少女がふくよかな女の子だったことに驚きました。反対を想像していたから。調べたら顔写真も普通に出てきました。ネットではネバダたんと呼ばれてるらしい2015/05/08