内容説明
ゆっくりでなければ得られない「効能」が、読書にはある。本を読むことの本来の「快」を取りもどす、反速読法・反多読術。
目次
1章 ゆっくり読む
2章 幸福な読書
3章 暮しの時間
4章 大食いと多読
5章 読書の周期
6章 本を手にして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
58
速読が推奨される時代にあって、あえて遅読をオススメする本書を読んで、やはり文学作品はゆっくり味わいながら読むほうがいいのだなと思えました(ビジネス書などは速読の方がいいのかもしれないけど)。読みたい本が沢山あるので、ついつい速く読んでしまうのでちょっと反省。読書ライフも人それぞれ、自分が心地よいと思えるスタイルで。量より質が大事。2015/06/27
chacha子
18
脅迫観念に駆られて大量の本を粗読し、そうやって得られた情報で頭をいっぱいにするくらいなら、ゆっくり時間をかけて文章そのもののおかしみや深みを味わうような読書のほうが、よほど時間を有意義に使っているといえるだろう。読書は寝食を惜しんでするものではなく、食事と同じ、日常の行為のひとつだという考えに納得。一語一語噛み締めるように読んでみたい。2015/08/12
ワッツ
15
速読ブームの昨今、自分は読むのが遅いのでみじめな思いを抱き続けていたが払拭してくれた。それでも沢山読みたいので早く深く読みたいとは思う。ただ、速読では深く読めないのだ。速読家の福田和也や立花隆を槍玉にあげ遅読の大切さを語る所はいちいち納得だ。実際に書評家としての実力や実績も彼らより上という事実が、遅読のすすめが決して負け惜しみではなく確固たる自信に基づいているのが嬉しい。読書は実生活、人生と共にある。惜しむらくは遅読派の著者が生き急いでしまったことだ。そこだけが何とも皮肉ではある。2012/11/15
ロッキー
13
〈図書館本〉速読で読んだ。読書も食事と一緒で速読では本によりもたらす幸福を放棄することでもあり、ゆっくり本を読むことで贅沢にじっくりと味わう楽しみもある。でも飛ばし読みして必要なとこだけ参考にするという本もある。本を見極めての速読と遅読の使い分けでしょうか。う~~ん…やっぱり自分の好きなように読みたいように読むのが一番なのかな。2012/06/09
Ted
13
「速読」にて読了。読書も車の運転と同じく状況に応じてギアチェンジする柔軟さを心掛けたい。敢えてやらずに済まそうと思えばいくらでも済む点で、読書は非常に贅沢な行為の1つだとは思うが、一方で、生活のあらゆる時間を読書に捧げる「書生流」ではいかにも窮屈だし、いつまでも経っても人間的に成熟できない気がする。巷に溢れる「読書術」本は売文業の従事者が自分を物差しにして書いたものが多く、必ずしも「生活人の読書」について書かれたものとは限らないので、真似しようとか比較しよう、などと安易に考えること自体がナンセンスなのだ。2011/08/03