内容説明
今でも鮮やかに蘇る、あの竹やぶの家。幼い私は、縁側で待っているお兄さんと遊ぶときが一番幸福だった。今、そのお兄さんが目の前に立っている。犯罪者として…。からっとしてるけどせつない、明るくて可愛いけど哀しい。女の子の圧倒的支持を受けた『青空チェリー』に続く、豊島ミホの第二短編集。
著者等紹介
豊島ミホ[トシマミホ]
1982年生まれ。2002年、「青空チェリー」で第一回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞、同タイトルの短編集でデビュー
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感想・レビュー
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ミルルン
39
バイバイラジオスター、すこやかなのぞみ、あわになる、日傘のお兄さん、猫のように、の5編。「猫のように」は豊島さんには珍しく中年男性の話。「バイバイラジオスター」無さそうで有りそうな話。私もラジオが好きなので、本当にこんなことがあったら素敵だなと思った。表題作は、突飛(?)な設定に一歩間違えれば…の成り行きからの、さわやかで気持ちのいいラスト。何かを抱えていたり、心に傷を負っている相手を一途に思う女の子の真っ直ぐさがいいなと思った。文庫版では、ほとんどの作品が改稿されているとか。読み比べてみたいと思う。2015/01/17
takaC
27
まずは単行本を読了。積読本の山のどこかにある文庫を探し出して読まなくては。2012/04/11
那由多
20
ロリコンなんか登場されたらキモくていつもは受け付けないけれど、これはロリコンであってロリコンじゃない。文学上でだけ許容される禁断が、微妙なバランスを保った純愛だった。表題作以外も良かった。
すきま風
16
文庫版を持ってるけど、単行本を読んだのがこの作品との出会い。文庫版未収録の猫のように、は豊島作品初と思われる40代の男性が主人公。短い話なのに、なんか良いんだよね。未読の人にはぜひ読んでほしい。このあたりから、豊島さんの持ち味というか、色が確立されてきた感がある。バイバイラジオスターは何回読んでも好きだなあ。2013/05/15
あまりりす
15
もう10年も前の作品でしたか、それほどの古さは感じませんね。「バイバイラジオスター」と、表題作がとても良かった!「日傘のお兄さん」ってなんだよ~、と、脱力しつつ手に取ったのですが(-_-;)こんなに感動するとは思いませんでした…好きだなぁ、この作品。本当に面白かったです!2014/12/22
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