内容説明
四十五歳の若さで逝った女性翻訳家が、娘のために遺した四巻のテープ。そこに語られる無惨な恋、許されぬ過去、そして「ひとつの死」。誰もが何かを探していたあの時代が、鮮やかによみがえる。追憶の光と影、切なさと歓びに涙がとまらない、感動の告白小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初雪ハロー
161
ラブストーリーを越えた、恋愛小説です。大阪万博が舞台です。万博は、再び大阪にやって来ます。また、ドラマがはじまるのかな?2019/01/18
紫 綺
88
死に直面した45歳の才女である母が、娘にその人生を告白する話。時代のバックに1970年開催の大阪万博があり、私の世代としては懐かしさに胸が高鳴る。恋は盲目とは良く云ったものだ。いくつになっても、トキメキは失いたくないものである。2013/12/28
ミーコ
33
面白い事は 面白かったのですが 淡々と書かれてるので 盛り上がりに欠けた感じ…。 直美さんにも感情移入出来なかった。時代のせいで 結ばれる事が出来なかった恋は切なかった。成美さんが只々 可哀想でした。2014/02/12
Natsuko
27
約20年前のベストセラー。タイトルはサイモン&ガーファンクルの一曲より。脳腫瘍に侵された45歳の直美が、娘に宛てて自分の人生を吹きこんだ4巻のテープ。叶わぬ恋を想い続ける二人。「選ばなかったもうひとつの人生」という帯には何となく違和感を感じる。女性は男性の出生の秘密を知り、明らかに自分の不利益を避けようという意図で身を引いている。もやもやしつつ、大阪万博開催に沸く1970年代、当時の恋愛・結婚についての考え方、直美をはじめ女性の価値観、社会の描かれ方について、今の時代に感謝しながら読了。2022/07/10
ち~
21
話の構成は、45歳の若さで癌を発症した四条直美が、病床で、娘に宛てて吹き込んだ4巻のテープによるもので、過去の忘れられない想い人、そして大きな後悔の告白でした。舞台は1970年の大阪万博。ホステス(コンパニオン)として働く直美は臼井と出会い、恋に落ちます。臼井がどうしても打ち明けられなかった秘密により壊れてしまった恋。2人はなぜ結ばれなかったのか?「もしかしたら有り得たかもしれないもう一つの人生」を秘め続けた直美の気持ちがジワジワ、ジワジワとしみこんでくるお話でした。2015/05/22