アブラクサスの祭

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  • サイズ B6判/ページ数 152p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104456024
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「けっきょく輪廻なんだよなあ、いろんな自分の。…地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天道って、聞いたことあるだろ。じたばたしても、いろんな自分を結局は輪廻していく…」ロックで六道輪廻を突き抜けろ!精神を病みロックに没入する僧浄念が見た輝く世界。現役僧侶による衝撃の芥川賞受賞第一作。

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年、福島県三春町生まれ。慶応義塾大学中国文学科卒。様々な仕事を経験した後、京都、天龍寺専門道場にて修行。現在は臨済宗妙心寺派、福聚寺副住職。デビュー作「水の舳先」が第124回芥川賞候補となり、2001年、「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

twinsun

6
「デミアン」(ヘッセ)で知ったアブラクサスの文字に惹かれて出会った本書。そのままでいることの苦しみに悶えながら時に流され時に浮かびあがろうとして思い定めた仏門の道の他、薬や音楽の力も借りて浮沈を繰り返しながら漂っていく。苦しみは本人だけのものであろうが彼を包み込む環境の限りなくこころ優しい事に筆者自身もどれほど気づいていることか。救うでもなく救われるでもなく首をたれて薄日指す枯野にたたずみ朽ちるのを待つような孤独のなかにも虫や草木の温かい命の営みが続いているような不思議な味わいがあった。2024/03/11

にゃお

4
難しい病気だなぁ。自分で今、鬱だとか分裂気味の躁だとかわかるのか。自分の心にばかり関心が向いてるからじゃないか?と簡単に思っちゃうけど、そこから抜け出せないのかな?うーむ。これが映画化されているのねぇ。うーむ。2013/10/03

Masako Mukai

1
難しかった。難しいが引き込まれて一気に読んでしまった。時間をあけてもう一度読んでみたい。映画化されているみたいだけど、これは見たくはないかも。2013/06/22

入江

1
「布団に入ったままの遺体はじつに迫力があり、浄念の稀薄な存在感はお経に縋ってもどんどん分散していくようだった。」玄侑氏の作品だからこそ、胸に迫る言葉が多い。2013/03/31

echo.

0
終始自分の精神状態でもがいている浄念が少々くどい。また、利己的に感じる。ただ、こういった病気のひとの考えることをよく把握している。また、その周囲が考えたり行動したりする方向性もよく描けている。 玄侑さんらしいパンチは少ない。 「ないがまま」という用語はここで初めて出てきたのかな。 良い言葉だ。2016/01/12

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