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阿片王―満州の夜と霧

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  • サイズ B6判/ページ数 443p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104369034
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

内容説明

満州には、「戦後」の核心が眠っている―。策謀渦巻く満州帝国で、最も危険な阿片密売を平然と仕切って巨額の資金を生み出した里見甫。その謎に満ちた生涯を克明に掘り起こし、麻薬と金に群がった軍人、政治家、女たちの欲望劇を活写する。今まで誰も解明できなかった王道楽土の最深部を抉り出した、著者の最高傑作。

目次

団子坂の怪人
異形の人脈
男装の麗人
魔都放浪
秘密工作
アヘンの国
不逞者
風雲の上海
孤高のA級戦犯
女人変転
家計図の迷路
石つぶて

著者等紹介

佐野真一[サノシンイチ]
1947(昭和22)年、東京生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。1997年、民俗学者・宮本常一とパトロン・渋谷敬三の生涯を描き上げた『旅する巨人』(文芸春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

z1000r

6
戦中の中国大陸の裏稼業の人物を追いかけた伝記。有名どころでは東條英機、岸信介、溥儀などとの関係。裏稼業では児玉誉士夫、笹川良一との関係(金銭関係)など、また主人公の女性関係にもかなりの頁をさいている。いろいろな角度で満州を見るという意味ではこういう本も参考になる。2020/02/15

ななっち

5
満州を舞台に、阿片売買で巨額の資金を生み出した里見甫を追ったノンフィクション。この資金が軍部、また政治家にも流れていったとも。里見甫の数奇な人生もさることながら、その周囲を取り巻く、不可思議な人たちにも、人生いろいろ、考えさせられますね。2013/02/25

於間抜新吾

4
『満州には「戦後」の核心が眠っている』登場する人物や地名をウイキペディアで確認しながら読み進んだ。著者はあとがきで取材に訪れた場所の一つに別府も掲げておられるけどそのあたりのことももっと深く知りたいと思った。歴史があって今があるのだなあと実感。2022/05/10

BLACK無糖好き

4
満州、上海を舞台にアヘンの流通ルートを構築し莫大な資金を動かした里見甫と関係者の深淵に迫る深い闇の底に引きずり込まれていきそうな本である。また、著者のあとがきで「満州とは、この地上に忽然と現れ、跡形もなく消滅したという意味でいうなら、それ自身が壮大なるフィクションだったともいえる。それをノンフィクションで描こうとすること自体が、大いなる矛盾を孕んでいる。」と記している。著者の苦心が伝わってくる。2014/10/29

吃逆堂

4
戦前戦中、上海や満州で暗躍した阿片王里見甫の実像に迫る。圧倒的な取材力。異形の者ばかりを引き寄せ、さらに他人の人生を狂わせるほどの磁場を発生させながら、里見の個人像は暗躍という怪物的な響きとは程遠く、あまりに涼やかで淡白な印象である(但し決して「普通」ではない)。一部エログロナンセンスを地で行くようなこの話が、20世紀史の一断面であり、しかも戦争国家の中枢近くにあったと考えると、そら恐ろしくなる。人脈網など図解があった方が分かり易かったかも。2010/05/09

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