ポーの話

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  • サイズ B6判/ページ数 435p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104363018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

あまたの橋が架かる町。眠るように流れる泥の川。太古から岸辺に住みつく「うなぎ女」たちを母として、ポーは生まれた。やがて、稀代の盗人「メリーゴーランド」と知りあい、夜な夜な悪事を働くようになる。だがある夏、500年ぶりの土砂降りが町を襲い―。いしいしんじが到達した、深くはるかな物語世界。2年ぶり、待望の書下ろし長篇。善と悪、知と痴、清と濁のあわいを描く、最高傑作。

著者等紹介

いしいしんじ[イシイシンジ]
1966年、大阪生まれ。京都大学文学部仏文学科卒。2000年、初の長篇小説『ぶらんこ乗り』を上梓し、たいへんな物語作家がとつぜん現われたと大きな話題に。03年、第二長篇『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞受賞。04年、第三長篇『プラネタリウムのふたご』が三島由紀夫賞候補に。04年、三浦半島の港町三崎のほか信州松本にも居を構え、北アルプスの山並みをのぞむ部屋で執筆している
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そふぃあ

18
まず表紙がとても綺麗で惹かれた。物語も美しく幻想的だった。ざっくり言うとうなぎの神話。犬じじの小屋で過ごした日々が美しい。切なかったけど、好き。2018/07/29

大夢☆母ちゃん

17
まず装丁が好き。そして不思議なくらい落ち着く本。言葉があふれてる!!好きだな〜。善悪を押し付けず批判しない…だけど優しいんだよな〜☆2011/01/30

arkibito

9
ポー、ポーや。うなぎ女の母なるささやきが聞こえる。晴れです、空広いです、天気売りのうれしそうな声がこだまする。ひまし女の卑屈な笑い声。虹色に輝くメリーゴーランドの背中。犬じじの深く刻まれた皺。出逢った全ての人の想いを通り抜けて、ただひたすらにポーはゆく。赤茶色に焼けた荒野を地を這いながら飛行する白鳩や黒々と光る大うなぎの尾ひれを追いかけて。それは生と死、そして償いの意味を求める旅。ポー、それは私たちみんなの息子。これほどまでに壮大で、愛と想像力に満ちた物語をほかに知らない。2010/07/22

kyoko

8
不思議な物語だけど、心に残るものがある。登場人物たちのユニークな名前がいい。2015/09/05

myaown

7
著者の作品には水やウナギのモチーフがよく登場するけれど、今回はそれが最前面に出ていて知られざる生態を物語に仕立てましたという感じ。「虫は世界を救っている」というナウシカの台詞を思い出す。オリジナリティに溢れているけれど宮崎駿と共通の世界観も感じてしまう。ポーが実はいろんなものたちに生かされていることに気づく瞬間涙が溢れる。「生命は巡る」その循環の中に自らも存在することに気づければ"つぐない"は要らないのかもしれない。今のままじゃ人類はつぐなうことだらけだなぁ...という自戒も感じながら読了。良い物語でした2017/10/25

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