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決壊〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 402p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104260089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

“悪魔”とは誰か?“離脱者”とは?止まらない殺人の連鎖。ついに容疑者は逮捕されるが、取り調べの最中、事件は予想外の展開を迎える。明かされる真相。東京を襲ったテロの嵐!“決して赦されない罪”を通じて現代人の孤独な生を見つめる感動の大作。衝撃的結末は。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

106
遂に動き出した殺人に終始息がつまるような思いになりました。悪意によって蝕まれていく世界は、事件による精神的な殺人を連想させます。個人情報が晒され、マスコミや警察に侵食されることで崩壊する家族。真犯人により絶望の淵へと追い込まれた為の自殺。事件が崩壊の元凶か、闇を抱えていたのか考えてみても、やはりどちらにしろ精神の決壊は免れない事実として突きつけられるのだと思いました。こうするしかなかったのかと思わされる結末にただ言葉を失うばかりです。凄い作品を読んでしまいました。2016/07/29

ゆみねこ

76
バラバラ遺体で発見された弟と、容疑者扱いされるエリートの兄。ネットで犯罪を犯す中学生の北崎友哉。被害者家族に向けられる悪意。悪魔の正体は誰なのか、一気に読了したのですが、ラストの衝撃に救われない思いでどんより。ネットの普及で世の中が急激に変化し、色々なものが壊されて行く。作者はそれを読者に問いたかったのでしょうか?2019/09/19

Yuna Ioki☆

48
1120-323-20 どうやらミステリーではなかった模様(¯―¯٥)ずっしりくる重さかつ、難解な部分も多く、作者と己の知的レベルの差に愕然とした一作。洗脳、死刑問題、マスコミ問題など多くの問題を盛り込みすぎかと。。。一般向けにならもっとシンプルにしていただいた方がよいかと。。。2015/08/15

Kumiko

46
ついに動き出した。殺人の加害者、被害者、容疑者、そして無責任なメディア。それぞれの心理描写が丹念すぎて私の心は収集がつかなくなる。大抵の人は悲しみ苦しみ、不満の多い日々の中から歓びを見出し、幸せに生きているのだ。それを他人が一部分だけを切り取って「不幸」だとジャッジしていい訳がない。すごく反発を覚える部分もあり、特にラストに関してはなぜあのような結末にしたのか、一度平野さんの胸ぐらをつかんで聞いてみたい。私は崇が好きだった。聡明すぎるが故に物事全てに意味付けし、咀嚼しようとし、いつしか決壊してしまった崇。2017/08/15

クリママ

43
ネット、マスコミ、被害者の家族の言葉がリアルだ。そして、遺族の慟哭、その崩壊の様さえも。詳しく記されている加害者の思考など知りたくもないが。善き家庭人だった被害者の良介、容疑者として警察の取り調べを受けた兄、崇、彼らの行動に、どうして、どうしてと考える。作品中に答えは明示されておらず、また、作品中の遺族の悲しみ、苦悩も癒えることはない。それは、現実に人の心中を理解し尽すことができないことや、殺人被害者の遺族の心が癒えることがないことと同様である。圧倒的な破壊力を持つ作品だった。2019/03/12

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