内容説明
実母と義母、ふたりの母の最晩年のドタバタをユーモラスに描いて、深い悲しみを炙り出す感動の随想集。
目次
長寿梅干し
お上への貸し
不幸の幸
形見の声
ギックリ腰
廃水のゆくえ
おふろ
額のしっぽ
隣人
名前〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
1
直木賞作家出久根達郎氏のエッセイ集。タイトルどおり二人の母(実母と義母)を看取った体験を核に、本が構成されている。2011/09/08
ひいろ
0
健啖家の著者の母のこと、その母が遺した不思議な品、その不思議な品のことを語るのに祖父の幻惑的な体験談が語られて……という冒頭で引き込まれて読みふけってしまいました。以降母との思い出とそれを取り巻く家族の話、日々の生活やそれにまつわる事件などが語られていくのですが、それが親しい者を亡くした人であればまたなまなましく共感できるもので、かつ奇妙であたたかくおもしろいのです。何しろ冒頭でその母の最期が語られたので後はずっと遺された者たちの生活のことだけかな、と読み進めていたらなるほど、と思わせる話で終わりました。2018/11/13