出版社内容情報
第51回泉鏡花文学賞受賞の『水 本の小説』に続く著者独自の連作小説。記憶の森を探り行き、本との出会いを綴る。深まる謎を追い、魅惑の創作世界へ――映画、詩歌、演劇、父との思い出。萩原朔太郎『猫町』とジャン・コクトー、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」と美術館のパノラマ。塚本邦雄生誕百年、シェークスピア劇での松たか子、大竹しのぶの慧眼……はるかな異界へ連れ出される9篇。
内容説明
映画、演劇、父との記憶―魅惑の創作世界の謎を探り行く。本との出会いを人生の時間と重ねて綴る9篇の連作小説集。泉鏡花文学賞受賞作『水 本の小説』に続く独自の“ものがたり”
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリクラブに所属。89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。小説に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)『水 本の小説』(泉鏡花文学賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジー、創作や編集についての著書もある。2016年日本ミステリー文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
168
北村 薫は、新作中心に読んでいる作家です。「本の小説」シリーズ第二弾、私小説とエッセイの中間のような不思議な味わいの連作短編集でした。萩原朔太郎と江戸川乱歩に交流があったとは思いませんでした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/406617/2024/04/14
ぽてち
31
『水 本の小説』の続篇というか、新潮社のPR雑誌『波』に連載された作品をまとめたもの。連載は続いているようなので、今後も同じような形で出版されると思われる。内容は前作同様、連作(連想?)形式のエッセイ(小説ではない?)で、本にまつわるあれこれが数珠つなぎのように溢れ出す。「何かを知るのは、楽しいこと」という文章から始まる章もあり、まさにと思う。名前しか(すら)知らない人の話でも楽しく読めた。さすが北村さんだ。2024/04/30
メタボン
27
☆☆☆★ 萩原朔太郎、江戸川乱歩、堀辰雄とつながっていくエッセイ風連作小説。塚本邦雄についても言及。北村薫、どれだけ本を読んでいるのか。恐るべき博識。2024/04/27
み
18
エッセイなのか?小説なのか?知識のない映画や作品で、途中から斜め読みになってしまいました。文章は、とても好きなのですが、内容が入ってこなくて…。2024/04/28
TI
9
エッセイみたいな小説?知識量がすごい。ただ前みたいな日常の謎みたいな小説のほうが好み。2024/04/18