目次
夜のミッキー・マウス
朝のドナルド・ダック
詩に吠えかかるプルートー
百三歳になったアトム
ああ
ママ
なんでもおまんこ
不機嫌な妻
有機物としてのフェミニスト
スイッチが入らない知識人〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めしいらず
71
昼間に私が見せる姿を見て、あなたは知った風に私のことを話す。なぜ短絡にそう思ったのか教えてくれ。あなたは知っているのか。昼は爽やかげに笑みを浮かべる私が、夜には泣いていることを。親しき友のように語らいながら、あの男を心で見下し罵り貶めて、己が卑屈さを慰めていることを。紳士的に振る舞いながら、夜のあの女が見せるだろう淫らな姿を夢想していることを。私は人を見たままに信じられない。私と話す時のあなたの態度の中に、侮蔑の、虚飾の、卑屈の、信頼の有無を、それとなく探っているのだ。私は苦悩の中に生きる術しか知らない。2018/03/25
momogaga
36
私は、何度読んでも理解できない詩によく出会う。この詩集でも、「この詩は何をいいたいのか分からない」と何度呟いたことか。しかし、一行でも心に残ったら、速攻幸せになる。「百三歳になったアトム」の生々しさはいいな～。2023/08/06
けんとまん１００７
36
さすが、言葉の達人。直截な表現が、こころにスト－－ンと刺さる。アトムと予言が、しみじみと沁みる。2019/09/26
Miyoshi Hirotaka
31
少年時代の愛読書を再読すると、「この作品には、不適切な表現や描写があります」という注意書きを目にする。この基準に照らし合わせると、この中のいくつかの作品は、墨塗りの対象で、しかも、人前で音読するのに憚られる内容。一方、「障がい者」のように表記を変えたり、「支那」と書くとアカウントが停止になったりするなど、言葉の力を制御しようという動きが盛んだ。しかし、これらは所詮無駄。というのは、人々を扇動しようとするアジビラや人の感情を逆なでするヘイトのような生々しい感情ですら、詩はそれらを音楽に変えてしまうからだ。2018/11/19
猪子
18
普段あまり詩集は読まないのですが、読友様の感想を拝見してタイトルに惹かれたので図書館より。なんというか、谷川さんの見てはいけない面を見てしまったような気がするんですが、大丈夫なのかな？ママとかああとかドキドキしてしまった(>_<)2015/03/11
