内容説明
生きるべきか、死ぬべきか。殺人犯と哲学者。「善く生きる」ために…息詰まる言葉(ロゴス)の劇(ドラマ)。
目次
陸田真志一通目の手紙―平成十年四月三日
陸田真志二通目の手紙―平成十年四月二十日
池田晶子一通目の手紙―平成十年四月二十三日
陸田真志三通目の手紙―平成十年五月十日
池田晶子二通目の手紙―平成十年五月二十六日
陸田真志四通目の手紙―平成十年六月二日
陸田真志五通目の手紙―平成十年六月七日
池田晶子三通目の手紙―平成十年六月七日〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
39
これも娘からの借り本。面白かった。これは再読をせねばなるない。2020/04/02
SOHSA
32
《購入本》サブタイトルのとおり、哲学者池田晶子と未決勾留被告人陸田真志の往復書簡形式の著作。なかなかに興味深く、言説に力がある。自己と真摯に向き合うことが人をこの様にまで深化させるのか。書簡に見られる陸田の思考の彷徨が却って真実味を感じさせる。本作はやはり陸田自身のものだ。池田は水先案内人に過ぎない。奇しくも死刑判決を受けた陸田よりも池田が先に逝去したのは皮肉的でもある。いずれにせよ二人は既にこの世にいない。残された私たちは、二人が遺したこの本を読み解くしかない。2015/12/23
harass
27
雑誌編集部に死刑囚からの手紙が送られてきた。著者の書物に感動して手紙を出したのだという。手紙には稀なる哲学的センスに溢れていた。雑誌連載を未発表の書簡と合わせて本にしたもの。 著者の容赦無い問いかけがあり非常にスリリング。そして、ごまかし無く答える死刑囚の言葉。うーむ、話に聞いていた本で借りて読んでいたが入手しようと思った。 非常に皮肉な結果なのだが、この死刑囚よりも先に著者は亡くなった(この本出版より8年後、2007年)。そして2008年に死刑が執行された。同日宮崎勤も処刑された。2014/09/28
抹茶モナカ
22
正確には往復書簡ではなく、陸田死刑囚からの手紙に池田さんの添削の入るもの。池田さんの著作を読んで書かれた最初の手紙が一番良くて、どんどんレベルが落ちて行くのだけど、そこを池田さんが突っ込み、盛り返す感じ。地頭が良いのか、哲学的に思索を展開して行く殺人犯の様子に感じる部分もあったけど、全部読みきると虚しさが残ったのは、結局、刑が執行されたのを知っているせいか、はたまた、中身が深いようで空っぽだったせいか。さて、どちらか。2018/02/22
Ayumi Katayama
17
感想を書いていたが書き出すと止まらなくなってキリがなくなってきたので全部カットした。哲学者と死刑囚の対話。いや、対話というよりは哲学指導といったところか。宗教と関係する死刑囚は少なくないと聞くが、哲学に傾倒する死刑囚は稀有ではなかろうか。聞きたいこと、言いたいことはまだまだたくさんある。手紙を出したいくらいに。だが、彼はもうこの世にはいない。2008年に処刑された。そして池田晶子氏もまたこの世にはいない。病魔に倒れ2007年に47歳という若さで他界された。2018/11/18