青に候

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  • サイズ B6判/ページ数 354p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103986041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ゆきゆきて男。
涼やかに女。
訣別して、友──。

家中の一人を斬り、脱藩して江戸に戻った神山佐平。先君急死の真相をめぐって、ただならぬ気配が江戸表に漂い、暗い影が佐平につきまとう。忽然と消えた朋輩の足跡を佐平は追うが・・・。
己が一分を貫き通す武士を清冽に描く。

内容説明

心ならずも国を追われ江戸へもどってきたものの、なぜか行く手に波紋が起こる。秘めた想いが心の支え。出会いと別れ、許しと再生。自分探しの旅がはじまる。ほとばしる情念と、あふれる叙情、みずみずしい感性で謳い上げた問題作。会心の時代小説デビュー作。

著者等紹介

志水辰夫[シミズタツオ]
1936(昭和11)年、高知県生れ。1981年、『飢えて狼』でデビュー。巧みなプロットと濃密な文体で、熱烈なファンを獲得する。1986年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞を受賞。1991(平成3)年『行きずりの街』で、日本冒険小説協会大賞を受賞する。さらに、2001年『きのうの空』で、柴田錬三郎賞を受賞。『青に候』は初の時代小説である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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伊之助

33
うねり始めた時代の波を背景に描かれた幕末の青春時代小説。百姓の出にありながら仕官のかなった主人公とその仕官先で友となった武士。両者の対比が面白い。主人公は仕官したとは言えいつでも武士をやめられる。一方の友は家と身分にがんじがらめの立場。幕末のうねりが次第に両者の立ち位置の違いを際立たせてくる。あの時代、大多数の藩は歴史の表に出なかった。出なかった藩にも理屈はあるのだ。主人公とその友それぞれの煩悶が老作家の筆によってつまびらかに描かれる。良作。2017/10/13

真理そら

17
この作者の時代小説をやっと読む気になった。神山佐平という若者の人物像が少しずつ読者の中ではっきりしていく過程で佐平自身が成長していくというような物語の流れになっているのかもしれない。佐平をめぐる園子もたえも清々しくて良い。また、誰にとっても名君であることは難しいが、かといって排除すればいいというものかどうかについての疑問も残る…そのあたりの描写から六郎太の苛立ちがよく伝わる。2018/06/03

山田太郎

9
あまり時代小説読まないけど、これはよかった。 たえさんがいい。2011/02/25

あかんべ

4
最近志水作品を続けて読んでいるが、物語の三分の一くらいまで主人公の目的や身分がよくわからないまま進む特徴がある。それを過ぎるとぐんぐん物語りに引き込まれる。表紙の絵はおきにいり。かっこいいー2011/09/17

komaberry

3
長屋や茶屋の様子、江戸の大火で逃げる人々、焼け落ちる屋敷、浪人との死闘、野山の美しい景色。それらをリアルに想像しながら読むことができた。神山佐平がどんな絵を描くのか見てみたい。2016/09/10

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