東亰異聞(とうけいいぶん)

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東亰異聞(とうけいいぶん)

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  • サイズ B6判/ページ数 322p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103970019
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

明治29年、帝都。人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈し、さらには闇御前、火炎廃人と呼ばれる人殺しが徘徊するもうひとつの街・東京。夜闇に繰り広げられる企みには、鷹司公爵家の次期当主を巡るお家駆動の影も見え隠れして…。人の心に巣くう闇を怪しく艶しく描く、大型女流による伝奇推理小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えみ

62
陰陰滅滅たる幻想。何処か芝居じみた不自然な怪奇。人の心に闇を認識するとき、明るい場所から見た闇か、同じ闇の底から見た闇か…果たしてどちらの方がより一層深い闇に見えるのだろう。人が心を持つ限りいつ何時でも魑魅魍魎は人の世を跋扈する。残虐でありながらどこか妖艶で捉えどころのないヒトゴロシ。明治29年の東亰の夜で繰り広げられたお家騒動とどこかの誰かによる不気味な企み。予想すらできなかった一歩先を行く事件の真相に驚愕し、動揺治まらぬうちに突き付けられた真の結末に呆然とした。これは幸せを紛う傀儡からの解放の物語だ。2021/09/24

眠る山猫屋

32
20年以上前に、チリ旅行中に読んで以来の再読。維新を経て移り行く東亰(東京ではない)を舞台に、まだ闇深い帝都を跋扈する様々な魔物たち・・・。そこに公爵家の家督騒動を絡めた物語。同日に産まれた庶子、直と常を巡り、火炎魔人と闇御前がそれぞれを狙うかのような動きがあったが。直も常も好人物。ミステリの形式だが、帝都を覆っていく暗くて深い闇と霧があまりにも幻想的だった。この眩惑、もっと浸っていたかったなぁ・・・。2017/08/29

星群

24
読み終えて、予想外の結末に呆然とし、その余韻に捕らわれたまま、抜け出せないでいる。兄が弟を、弟が兄を想う気持ちが、この悲劇を生み出したとしても、無関係に殺された大勢の犠牲者達が哀れ過ぎる。その兄弟も、母の手のひらで転がされていたのだから、さぞかし無念だろう。百鬼夜行、夜が人のものであった時代は終わった。だけど、それに負けない希望の一筋を、私は信じる。2012/08/18

雪紫

21
魔都と呼ぶべき、帝都で起こる怪人達による怪事件。雰囲気は十分だけど、事件はそうじゃなかったかな・・・? むしろ、解決したかに思われた後でのまさかのエピローグや帝都の印象が強く感じる。2020/03/18

めがねまる

14
つまらなくはないけれどとても面白いわけではなく、3、4日かけるほど価値があるとは思えなかった。ラストの東亰の風景は幻想的で良かった。思いっきりファンタジーに振り切ってくれたらもっと面白かったかもしれない。途中、延々と続くお家騒動の描写に飽きてしまった。2018/03/25

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