内容説明
東に快作あれば心酔して讃し、西に駄作あれば筆誅を加える。戦時には国を憂いても静心を忘れず、傑物の門を叩いては意気投合。風雅の道も忘れず嗜み、ひとり映画館の闇に物思う日々。たまには贋作を掴ませられたっていいじゃないか。これぞ男子の生きる道!批評前線異状アリ!そして、フクちゃん、あなたはよく闘った―。われらが全身批評家の週刊新潮怒涛連載「闘う時評」ついに刊行。
目次
波風立てつつご挨拶―2002年5月
ああ、蹴球世界杯に熱狂する野蛮人たちよ!―2002年6月
名人芸はこの御時世でも健在也―2002年7月
歴史はいつでも難しくナマナマしい―2002年8月
残暑を小泉訪朝と『海辺のカフカ』で過ごす―2002年9月
東証日経平均が9000円を割り込むと?―2002年10月
『昭和の劇』脚本家・笠原和夫に絶句して興奮―2002年11月
2002年版「小説の値うち」―2002年12月
御年始は往く人、来る人―2003年1月
ポランスキー、棟方志功、朝青龍を断然贔屓す―2003年2月〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
3
「昔、京都駅前に京都タワーが計画された時、景観保存のために立ち上がった有志数名が、保田與重郎方に趣き、賛同の署名を求めたところ、〈工事がはじまったら現場の入り口で切腹すればいい、それを毎日やれば三日で中止になるだろう〉等と云われ、辟易して帰ってきたという。」(「引越しは〈保守〉への拷問である、はあ……」)2020/02/04
北杜夫そっくりおじさん・寺
0
2002〜3年の時評集だが、タイトル通り読書や映画の話が多く、あまり古くなってない。美術やプラモデルの話もある。あらゆる趣味を洗練させている人だと思う。刺激があった。2011/04/22