出版社内容情報
誰にもとどめることは出来ない――愛の歓びと怖さ、その光と影。官能をかき立て、知性を刺激し、情感を揺り動かす、江國恋愛小説の記念碑的長編の誕生。
内容説明
愛の歓びと怖さ、その光と影を描き出す、完璧な恋愛小説。二人の女性を主人公に語られる、愛と家族と時間の物語。
著者等紹介
江國香織[エクニカオリ]
1964年東京生まれ。87年「草之丞の話」で毎日新聞社主催の「小さな童話」大賞を受賞。89年「409ラドクリフ」で第1回フェミナ賞を受賞。「こうばしい日々」で91年産経児童出版文化賞、92年坪田譲治文学賞を受賞。同年「きらきらひかる」で紫式部文学賞を受賞。2002年「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞を受賞、04年「号泣する準備はできていた」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
62
何が正解だなんて決めること自体がおかしいのかもしれない。ちぐはぐで、きっかいで、とりとめもないものが、世の中には溢れていて、それを必要としない人たちには、がらくたに見えるに過ぎない。がらくたは役には立たない。しかし、棄てるには忍びない。愛ではないが、愛着や執着といったものがないまぜになったような懐かしい音楽を奏でるのだ。美しい旋律、歓喜を引き起こす律動。永遠がないことを知りながらも、どこかで永遠を求めてしまう。だからこそ、がらくたが必要なのかもしれない。 2012/07/17
sora
34
セレブな感じの登場人物。がらくたなんでしょうね。願わくは、ガラクタの中にもきらりと光る人がいるといいなぁ・・・なんて。それにしても、「いちごとイチゴジャム」の話、ある意味恐ろしい考え方だと思いました。2014/05/12
紗世
26
まとめると、モラルがない人たちの恋愛小説。女子高生が帰国子女だから?外国人っぽい言動で描写されていて現実離れしている。逆にそれが文学的…なのかな? そして不倫が「愛し合っているから、お互い外で身体の関係を持っても裏切りじゃない」という価値観は、江國香織さんっぽい。ずっと家にあった本だけど、やっぱり今読んでも共感できなかった。2023/04/05
あっきん
25
読んでて楽しかったけれど。こんな人間関係はいやだな。嫌悪感まではいかないけど。登場人物で好きになれそうなのは桐子さんだけ。2014/03/27
miki
21
夫婦として円満なようにみえて、その実相手の本心など相手にちらりとも見せず家庭という小さな円の中で収束していく。どんな愛や夫婦の在り方が正しいということはない。これはこれで完結して無害なのかもしれない。けれど相手を思いながらも他の人と関係を持つというのはわたしにはわからない。それが抗い難い愛というものなのか?悪意はないけれど情熱もない。からっぽな気がする。2015/09/10