内容説明
「フツーの家族」って、なに?「結婚」なんかしてなくたって、血なんかつながってなくたって、家に帰ってきたときに、「おかりなさい!」こう言ってくれる人が、たぶんあなたのほんとの家族。ふつうとは少しカタチが違うけど、とっても温かいふたつの家族の情景を描いた心ぬくぬくの物語。
著者等紹介
鷺沢萠[サギサワメグム]
1968年、東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語科除籍。’87年、18歳の時に「川べりの道」で文学界新人賞を受賞。「葉桜の日」などが芥川賞候補になり、’92年『駆ける少年』で泉鏡花賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
153
タイトルにあるようにまさしく'ウェルカム'な'ホーム'の温かい短編2編でした。それぞれにちょっとした事情を抱える二組の'家族'の話で、前半は男性'主夫'が、後半は結婚に2度失敗しているキャリアウーマンがそれぞれ主人公になっています。ある意味父子家庭と母子家庭、それぞれの立場で描かれた家族のほっこりとした絆を深く、優しく綴っています。人は生きていく中で、些細な見栄や誤解により、大きく後悔するコトになりかねないので、やはりどんなトキも自分にまっすぐ、素直に生きていくのが大切なんだと改めて思わせてくれました。2018/08/17
はる
66
良かったです。少し普通とは違うけど、あたたかな家族の物語2つ。鷺沢さんにしては軽いタッチ、ユーモアを交えた文章を楽しみつつ、ラストはどちらもホロリとさせる。それぞれちょっと趣が異なりますが、どちらも良かった。心が軽くなるような、爽やかな読後感。2020/09/17
ひめか*
61
鷺沢萠さん初読。前から気になってた作家さんだが、この小説は本当に自分に馴染んで心にストンと落ちて行く感じがあった。二作入っていてどちらも複雑な家庭事情を抱えている人のお話。家族のお話だけど普通の家族ではない。男二人で息子を育てる訳あり家族とか、実の娘ではない女の子を育てる母とか。どちらも最後にほっこり。文体が所々面白いなって思うところがあって、クスって笑っちゃったり。ちょっとホロリとしそうなシーンもあったり。最後の憲弘の作文すごくいい(/ _ ; )読後感は温かく優しい感じで瀬尾さんに似ていた(*^^*)2014/05/21
hirune
46
とても読みやすくてするすると読めました。実子ではない子どもを育てるお話しが二編。片や男性もう一編は女性。血ではなく心で繋がる親子の絆が暖かいです。変則的な形でフツーじゃなくても、互いを思いやる家族同士の築いたホームが描かれていました。2016/05/06
カザリ
34
鷺沢作品の最高傑作だと思います。もっともっとこの人の作品を読みたかったなあ2019/09/30