内容説明
世界は「破滅」に向かっているのに、大人は誰も気がつかない―『ノーライフキング』、呪われたゲーム・ソフトの謎を追って、少年たちの新しい戦いが始まる。90年代の現実を鮮烈に描く、異才、注目のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マグカップ
24
いとうせいこうのデビュー作。ゲームの世界が徐々に現実世界と交差し、迫りくる「死」に恐れ慄く子どもたち。大人は子どもからゲームを取り上げようと躍起になり、子どもたちはそれに抵抗するように一層“リアル”な世界へ没頭する。子どもたちは決しておかしくなってしまったのではない。みんな“リアル”に正面から向き合い、闘っているのだ。子どもの文化を理解するにあたり大切なことを教えてくれているような一冊。2021/11/26
林 一歩
23
再読。初版本を持ってたから、おそらく発売と同時に買って読んだ記憶が薄っすらと。 スマホレベルで世界中が繋がってしまった現在から振り返っても、根幹のプロットは古びてないと思慮。逆に、今の「ノーライフキング」が読みたいと所望。傑作である。2014/11/02
アルクシ・ガイ
4
30年前のネットワークやゲームがどうだったか。覚えていないだけに、幻想的だ。今なら「ネット」のひとことで終わる。 2020/03/30
ゆき
4
★★★☆☆:再読。二十何年か前「すごい!」「おもしろい!」と興奮気味に読み進めた記憶があるが、肝心の内容は憶えていなかった。改めて読んでみて、じわじわとひろがる恐ろしさというか不気味さを感じた。子供の視点ではなく大人の視点で読んだからだろうか。2014/02/23
ぴゃーぽむ
3
リアルとはなにか。噂とバーチャルが行き交い、身体性が貧弱になっていく小学生達の、唯一掴める真実のようなもの。それは熱狂でしかない、うなされているかのようなナンセンスなもの。不気味で気持ち悪くなった。2015/03/08