内容説明
“作家になるべくしてなった”文学界の風雲児が、初めてその過去を語る。幼時の記憶、恋愛、夜の世界での体験から直木賞受賞に至るまで―本音と虚構とが見事に溶けあい、その多彩な魅力が集約された長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まぶりな
3
来月出る新刊「私のことだま漂流記」が本格自伝とのことで、その前に半自伝、もしくは虚構的自伝と言われる本作を久しぶりに再読した。今読むと、エピソードの随所に「蝶々の纏足」や「ぼくは勉強ができない」や「ジェシーの背骨」を思わせるシーンが登場していてニヤニヤした。2022/10/29
あんず
3
私のバイブル
A10
3
ふいに手にとって再読。やっぱり好きだ!過激な表現は多々ありますが、そこに性的な下品さがなく、どちらかというと愛情や、そこはかとない人間の哀しさや品が感じられるのが素敵。「ひざまずいて足をお舐め」と言えると同時に、「ひざまずいて足を舐めさせて下さい」と言える人間に(それくらい人間的な振れ幅のある人間に)なりたいものです。2009/10/29
かい
2
初山田詠美。SMクラブの女王さまのひとりである女性の一人称。同僚に作家志望の女の子がひとり(作者の分身?)。タイトルはアレだがめちゃめちゃ面白かった。淫らな場面が書かれているはずなのに、どこか上品だったり哀しかったり。
もぐもぐ
1
実際に女王様をやっている知人が大学生の頃に読んでいたという話を聞いて、読了。終始お姉さんはどこか「古い人」で、ちかは「新しい子」という印象。絶妙なバランスの中成立した関係が興味深かった。周りにいる人たちも濃いようで空っぽで、熱くて冷たくて、人間臭かった。好きな一冊です。2018/06/22