ニッチを探して

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  • サイズ A5判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103622086
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

下町の酒場、公園の炊き出し、他人の家、路上から段ボールハウスへ。失踪し追われる銀行員は東京のニッチで生き延びられるのか!?

会社を辞めたい人、すべてを捨てて失踪したい人、居場所を探している人、必読! 大手銀行に勤務する藤原道長は、行内で背任の容疑をかけられ、妻と娘を残し失踪する。サラリーマン生活の離脱初日は優雅に鮨をつまみ高級ホテルへ、翌日からは下町の酒場、公園の炊き出し、路上、そして段ボールハウスへ――。所持金ゼロで生き延びるためのニッチ(適所)はどこにある? 東京をサバイバルする実践的サスペンス。

内容説明

背任の容疑をかけられ、妻と娘を残し失踪した元銀行員の冒険。飢えに耐え、星を見ながら、草の上で眠り、雨に濡れ、虫に刺されながら、死者と対話したり、神に祈ったりし、なまった筋肉に鞭打ち、鈍った勘を研ぎ澄まし、わずかばかりの食料を調達してくる。所持金ゼロでも暮らせるニッチは何処にある?

著者等紹介

島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961年東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。83年、大学在学中に発表した「優しいサヨクのための嬉遊曲」が芥川賞候補となり、注目を集める。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、08年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けい

73
ニッチという言葉と表紙からほのぼのとした物語を連想して読み始めたが中身はまるで(違う意味でほのぼのしている部位もあるが)違っていた。銀行員である藤原道長、ある日を境に世の中からドロップアウトしホームレスになる。彼の行動を追って行くうちにホームレスを疑似体験している様な妙な気分になっていく(妙な引力で引き込まれ自身の深層心理に願望としてあるのか?とも思ってしまった)結末はどうあれ思った以上に楽しめた一冊でした。2013/10/20

ひろ☆

30
表紙が可愛いので、内容こんな感じなんだ!世を捨てて、ホームレス生活を送る日々が興味深い。失踪するときは、女性や協力者は必要。2014/11/07

白のヒメ

30
伴侶を捨て、家族を捨て、仕事も家も、社会的なしがらみも自分の名前さえも全て捨てて、社会のニッチ(隙間)に入り込んでしまいたい。そんな願望が自分のどこかにあるから、ホームレスというワードを持つフィクションなりノンフィクションの本を手に取ってしまうのだろう。この主人公も自分の正義のために全てを捨ててホームレスになる。芥川賞候補にもなり、その他数々の賞を受賞している作家の作品らしく、文章中に哲学的な光るフレーズがたくさんあり引き込まれた。ハラハラドキドキの結末。やはり私にはホームレスは無理だと再確認出来ました。2014/01/27

いくら

27
社会的には成功者である主人公がいきなり職を離して、ホームレスとなりニッチ(居場所)を求めて放浪する。唐突であるし計画性もそれほどないのではと思える彼の当て所もない旅に読者として同行していく先に得られたものは、思った以上に満足いくものだった。2014/04/29

TATA

25
宮本輝さんと並んで大学時代に読みあさった島田さんを久しぶりに一読。面白かったし一気に読めたのだけど、あれ?こんな感じだったっけ?荻原さんの「砂の王国」や奥田さんの「ナオミとカナコ」の世界観と似たとこもあって読みやすいんだけど、「僕は模造人間」とかみたいな尖った感じがあまりなかったのが少し残念でした。暫く読まない間に作風変わったのかなあ。2016/03/27

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