内容説明
あの人は、深い森へと姿を消した―。恋に破れ、家は破滅し、声を奪われ、穢れた死者として追放されたカヲルは、最果ての島へたどり着く。「一番いい時代の私をあなたに預けます」―あの人の微かな声に導かれ、黄泉の国と繋がったこの場所で、恋は今再び、脈打ち始める…。島田雅彦の代表作「無限カノン」第三部完結編。
著者等紹介
島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961(昭和36)年東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。在学中の83年、『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー、新世代作家の登場と注目を集める。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞を、92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を受賞
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感想・レビュー
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ふみ
27
かっちり政治色はあるんだな。禁忌に触れてる感は否めないんだな。恋と宗教と国家 全てを含んでなお語り尽くせない。一度で読み取るのは難しい。時間をかけて、再読しよう。2014/12/26
星落秋風五丈原
7
あの人は、深い森へと姿を消した…。恋に破れ、最果ての島へ辿り着いたカヲル。黄泉の国と繋がったこの場所で、恋は再び、脈打ち始めるのか? 史上最強のラブストーリー3部作の完結編。『新潮』掲載を単行本化。 2006/03/24
聡子
3
恋は終わらない。確かに、カヲルはもちろん、アンジュも、死んでいった者たちの恋も終わっていない。面白かったな。 コースチャとニーナってチェーホフのかもめだよね?わざとよね?2018/12/11
Keita
2
あとがきで3部作と知りました。読む順番を間違えたかもしれないが、他の作品を読まなくても話の展開に引き込まれました。著者がいうように現在から過去へ遡る順番、または作品のできた順に読むか悩む。2023/06/04
寝屋川
2
歳を重ねたカヲルに重みを感じた。 神秘的なエトロフ。寂しくもあり、温かみもあった。帰国しないんだね。2023/01/28