贋金づかい

贋金づかい

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784103611035
  • NDC分類 913.6

内容説明

トランクを少し斜めに傾けてみた。試しに留金を押してみると、抵抗もなくパチンと外れる。それならと、蓋をそっと開けた。隙間から、ぎっしりと詰まったものが見える。紙がぎっしり。唐草模様だ。伊藤博文。札束である!―後楽園球場でトランクいっぱいの贋千円札を渡された「私」は、月産百五十億円の紙幣生産地へ赴いた。そこは何と…。「模型千円札裁判」の有罪判決から四半世紀、前衛画家赤瀬川原平が、いま尾辻克彦として放つ、脱経済=超芸術(トマソン)小説。あふれる想像力と言葉の乱舞が、読者を天空の高みへと誘う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

justdon'taskmewhatitwas

1
昔"贋札を作った"男が文学賞を受賞、贋札を渡され始まる私小説。帳簿を数字が行き交うだけのキャッシュレスの世、刷った現ナマ(贋金)の使い処はもはや、選挙でばら撒くか身代金ぐらいと嘆きつつ、作るから使う立場へ転位し、月産150憶の紙幣を手にして経済の枷から脱した先で何を成すのか。─── ただ、麻布谷町の超藝術(トマソン)とダムに時々沈む村"馬村"の2本のエントツとか、男女の性的関係の隠喩、日本のマイナス(虚)文化とか無限小とか、話の山場が観念的過ぎ。「三浦良枝」ももう誰も憶えてない…。2023/03/21

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