出版社内容情報
脂まじりの雨が降る街を巨大な人工月が照らし出す。──ここではないどこかで、この世界にしかない言葉で綴られた不思議な物語。《百年後の純文学》！
内容説明
脂まじりの雨が降る街を、巨大でいびつな形の人工月が照らし出す。朧に霞むしずかにやわらかい月だ。月の回転と連動して、補助軌道の歯車レールの上を人の乗るゴンドラがゆっくりと動いていく―。ここではないどこかで、あなたかもしれない誰かが、今日もひっそりと暮らしている。シーナワールド全開のファンタジックなストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダンスにホン！ころりん
7
20060930発行分 130713読了 椎名さんのSF。いつも読みはじめてからSFと気づくわけで、そうとわかった瞬間から「ただいま~」と言ってシーナワールドの住人になった気分で夢中で読んでしまう。今回、同じタイミングで「謎の深海生物」を読んでいたこともあって、その面妖なる姿とシーナワールドが妙にダブって見えて今まで以上にリアルな感覚を楽しめた。2013/07/13
斑入り山吹
6
椎名氏は名前しか知らず、この本もどこのどういうコメントを見て読んでみようと思ったかちっとも思い出せないまま、殆ど白紙で読むことになった。のっけからちっともわけのわからない単語が多くてまごついたが、まあそういうものなのだと割り切って読んでいくと、だんだん状況が分かってくる。いつの間にか引き込まれて読んでしまった。ぬめぬめとちょっと気持ち悪い感じは北野勇作？終末観はある意味懐かしい。短編のタイトルがちょっとパロっていたりしてニヤリとする。椎名氏のほかのフィクションもぜひ読みたくなった！2012/12/17
ma_2
6
暫く遠ざかっていたが、久しぶりに椎名誠のSFを読む。 『アド・バード』 『水域』 などにつづく、 「戦争後」の近未来を描く独特な世界観で好きな作品だ。 「砲艦銀鼠号 」 「武装島田倉庫」 も読みたいと思い図書館で探すが見つからず。
蹴込屋
5
いくつもの短編作品で紡ぎだされるシーナワールド。表題作の暗さ加減にはしびれます。2007/11/05
可兒
5
久々にシーナワールド。みるなの木も読み直してみたい2008/10/02
