内容説明
劇団夢の遊眠社解散後の全作品。『キル』『贋作・罪と罰』『TABOO』『赤鬼』『ローリング・ストーン』を全収録。野田秀樹略年譜、エッセイ5篇付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moeko Matsuda
6
これが本当にね、どれも凄まじいのよ…凄まじいんだけど、私の中ではやっぱり「赤鬼」が圧倒的。今、この時代の雰囲気だからこそ余計に感じるのかもしれないけれど。訳のわからないものを知ろうとする者、嫌悪する者、排除する者…未知との遭遇には色んな反応をする人がいて、その間には橋のない川がある。知ることから理解は生まれるけれど、知ったら理解できるとも限らない、という残酷さ。それをまざまざと描きだしてる。私も貴方も人間であるように、言葉が通じなくても、ここにいるのは私達と同じ人間だろう。という強烈な、遥かな訴え。2019/08/23
かいら
2
タブーと赤鬼が面白かった。キル読みたさに読んだのに…。正誤も善悪も揺らすような、言葉遊びと論理の華麗なるスライド。2010/05/16
つなの
1
この本を読了→本を閉じるや否や、図書館へ急ぎ→野田秀樹の他作品をソッコー借りた。す、すげぇ化け物に出会っちまったぜ…ドキドキ、バクバク。次の公演を観に行っちゃってる私が容易に想像できるのである。2015/05/13
ようすけ
1
贋作が読みたくて購入。結果、全作通じて野田ワールドに魅了された。言葉遊びや、込められたメッセージが響いてくる。言葉を抜粋しても、なんら色あせないようなそんな宝石箱をつくってはひっくり返す、そんな作品群だ。2008/07/20
入江
1
読んでみれば、どれもリズミカルで面白い。「ねえ、一生に一度のお願い」「だったらこれは、一生に一度のダメだ!」 言葉遊びもふんだんで飽きない。中でも『赤鬼』は、身体を動かしたくなる。2013/03/12