出版社内容情報
凶器は140字、共犯者は十数万人。SNS×社会派ミステリ! ネット界最恐の情報通<市民調査室>。芸能人の醜聞、政財界の不祥事など、様々な暴露ネタで、物議を醸していた。しかし、ネットの炎上が現実に飛び火して、人命に関わる事態に発展する。サイバー犯罪対策課の延藤は、執念深く捜査を進め、特定寸前まで追い詰めるのだが――明日は我が身、体中が粟立つSNSサスペンス!
内容説明
ネット界随一の情報屋“市民調査室”。食レポから芸能ゴシップ、政財界の不祥事まで、幅広く“有益”な情報を発信して、熱狂的なフォロワーを獲得していた。だが、ある日を境に、その投稿にフェイクが混ざり始め、ネットリンチを扇動するように。サイバー犯罪対策課・延藤は、必死に捜査を進め、その足取りを追っていくのだが、ついに現実世界で死者が出る―。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して2010年にデビュー。音楽を題材とした岬洋介シリーズほか、ミステリーを軸に、さまざまな社会問題をテーマに精力的に執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
243
中山 七里は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。SNS拡散弊害ミステリ、途中まで快調に飛ばしたのですが、最期に絡新婦の糸が切れてしまいました🕷️🕷️🕷️https://www.shinchosha.co.jp/book/337013/2024/01/12
いつでも母さん
157
どんな悪女が登場するのかと(汗)SNS・・正しく使うとこんなに便利なものはないよね。だが、フェイクニュースに踊らされ、いったい何を信じたらいい?インフルエンサー?私には「何それ?」なのだが、実際に色々問題が起きて鼬ごっこを呈してるよね。知らず知らず私も「小蜘蛛」になっていたりする?(恐い怖い)顔が見えないからって、なんでもありなんてことはないのだよ!責任と自覚・・日本人から無くなっていくのかなぁ。そんなことはないと小さく拳を握った次第。犯人捜しはいつも通り降参の私だった。2023/12/22
タイ子
120
ネット社会で起こるさまざまな出来事。本書もネットで「市民調査室」と名乗る人物がラーメン屋、芸能人の薬物暴露、政財界の不祥事を発信。フォロワーを獲得しながらそれはとうとう凶器となり人の命まで奪ってしまうことになる。サイバー犯罪対策課は業を煮やし市民調査室の正体を追跡していく。怖いのはこのインフルエンサーを教祖化するフォロワーたちの言葉。全てを肯定する彼らの姿勢に背筋が寒くなる。捕らえてみれば…のあっけなさにスッキリしない思いもあるが、また一つネット社会の闇を見た。2024/01/25
hirokun
110
星3 今回の作品は、SNSを活用した犯罪に関するもので、最近、いろんな作家さんがテーマとしているもの。これくらい関心を持たれているということは、そのくらいの影響を社会に与えていることの裏返しなのだろう。今日の新聞に、大学生の4割程度が何らかの闇バイトに相当する勧誘と接触を持ったことがあるとのアンケート結果を紹介していた。偏った媒体によるアンケートの可能性があるためどこまで信用してよいのか問題ではあるが、若者のすぐ近くまでこのような接触が忍び寄ってきていることに、危機感を覚える。2023/12/25
きいたん
109
実態を持たないものの危うさ…フェイクニュースが蔓延るようになった今、虚偽の言葉と隠された実体にどれだけの人が振り回され、のめり込み、操られていることか。読中ずっと、絡新婦の糸に絡みつかれたネット民達が、実際にリアル世界のあちこちに存在しているその事実に哀しみと恐れを感じ、未来への不安が心の中を渦巻いた。自分が正しいと疑わない偽正義は、匿名で更なる万能感を得て、どこまでも残酷になれる。そんな人間がこれからきっと増殖していく未来が怖い。せめてこの本で感じたネットの怖さと脆さを自分への戒めとしよう。そう思った。2023/12/27