内容説明
北海道・広尾→鹿児島・枕崎、34日間、乗車距離13319.4キロ。「一筆書き乗車」のルーツ。鉄道紀行文学の金字塔。
目次
遠回りの話
切符の話
第1日―広尾―帯広―富良野―旭川―遠軽
第2日―遠軽―北見―池田―釧路―厚岸―厚床
第3日―厚床―中標津―標茶―網走―中湧別―紋別
第4日―紋別―名寄―音威子府―浜頓別―南稚内
第5日―南稚内―幌延―留萠―深川―岩見沢―沼ノ端―札幌―小樽
第6日―小樽―倶知安―伊達紋別―函館~~青森―好摩
第7日―好摩―大館―弘前―深浦―東能代―秋田
第8日―秋田―鶴岡―坂町―米沢―横手〔ほか〕
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926(大正15)年、埼玉県に生れる。東京大学西洋史学科卒業後、中央公論社に入社。「日本の歴史」「世界の歴史」シリーズ、中公新書の創刊等を手掛ける。出版部長、「中央公論」編集長等を経て、’78(昭和53)年退社。同年刊行の国鉄全線完乗記『時刻表2万キロ』で日本ノンフィクション賞を受賞する。文芸の一ジャンルとしての鉄道紀行文学を確立した。『古代史紀行』等の歴史紀行、泉鏡花文学賞を受けた小説集『殺意の風景』がある。’99(平成11)年、菊池寛賞を受賞。2003(平成15)年2月26日、病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
41
路線としても時間としても、夢のような鉄道旅行。いつ読んでも没入できる。2018/06/07
fseigojp
14
鉄男の友人に勧められて読み出したのが、これ はまっちゃいました2015/08/20
そうたそ
10
★★★☆☆ 北海道の広尾から鹿児島の枕崎まで、なるべく遠回りして最長のルートを片道切符で旅しようではないか、というとんでもない旅程を実現した著者による紀行エッセイ。ずっと電車に乗っているとはいえ、やはり北から南まで旅するとその風景も随分と変わっていくだろうから楽しそうではあるが、やはりそれだけ乗りっぱなしだと腰が痛そうだな、という何ともつまらない感想しか抱けないのが自分ではあった。今同じ旅を実現しようとしても到底無理だろうし、線も随分と増えた。この時代だからこそできた旅なんだろうと思う。2023/02/20
nobody
8
日常的には切符は販売機で買える数百円のものである。それには「途中下車無効」とある。だから切符=途中下車無効なものかと思ったらある距離以上で途中下車はできるそうだ。距離に条件を設けるのはJRの勝手な都合である。私は青春18切符で3度旅した時をはじめ途中下車してない。2時間以上特急が遅れたら払い戻してくれるそうだ。私は遥かにそれ以上待たされたが払い戻されてない。とにかくJRは出鱈目である。立っても座っても同料金なのは根本的に不当だが客が従順なのにつけ込んで浮利を貪る。踏切で常に優先というお上意識。点である地名2023/06/09
DEE
6
北海道の広尾から鹿児島の枕崎まで、一筆書きでかつ可能な限り遠回りをしていくという、好きじゃなければ共感が難しい旅の話。 書かれたのは40年以上前なので、JRは国鉄だし瀬戸大橋もまだない。 時刻表が一家に一冊あった時代。 自分がまだ幼かった頃は時間がもっとゆっくり流れていた気がするけど、それは移動手段のスピードが遅かったからとも言えるだろう。 文章から薫る昭和の日本各地の空気が妙に心地よい。2018/03/06