転がる空に雨は降らない

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103325413
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

一本のキックが二人の運命を変えた――。大切なものを守れなかったGKは少年の願いを受け止められるのか。父と息子の絆を描く長編。

「パパ、思いっきり蹴ってみて!」と息子は言った。もしもあの日に戻れるなら、おれは何だってするだろう。ミスキックが奪った、ふたつの生命。誰かのせいに、できればいいのに――。ベテランGKの「被害者の父」は、後悔に押しつぶされ堕落する。プロになった「加害者の息子」は、もっとがんばってくれと、願う。いつか試合でぶつかりあうために。残された者たちの祈りが導いた、ささやかだけど美しい、運命と奇跡の物語。

内容説明

置き去りにされた加害者の息子は上昇する。後悔に苛まれた被害者の父親は堕落する。やがて、二人はぶつかりあう。試合で。ピッチで。人生で。

著者等紹介

小野寺史宜[オノデラフミノリ]
1968年、千葉県生まれ。2006年、「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。2008年、ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作の『ROCKER』で、単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

194
「車の運転は気をつけて。」これは何度でも云っていい言葉です。親子の繋がりを何度も繰り返し訴えてくる。けれど押し付けてはいない。キーは『サッカー』被害者の父と残された加害者の息子。関係者それぞれが苦しんで這い上がる様子が胸を打つ。もっと沢山の人に読まれてもいいのではないだろうか?ただ、タイトルは改題されたようだが、ちょっとどうなの?って感じがした。読後感は良い。とても良い。2018/05/15

おしゃべりメガネ

187
冒頭の展開から、小野寺さんらしくないシリアスなスタートとなり、不安になりましたが、中盤からはさすが小野寺さんらしく、しっかりと涙腺を緩めてくれました。サッカーが中心となり、物語が展開していくので、サッカーに興味や関心があるともっと楽しめたかなと思います。不慮の事故で息子を亡くしたプロサッカー選手「灰沢」と、事故に関わった父を持つ「砂田」の二人を軸に家族の大切さやサッカーの素晴らしさを温かく綴っています。一番ステキだったのは「砂田」の同級生「青海」ちゃんで、本当に天使のような素晴らしいキャラで最高でした。2019/12/07

モルク

113
小学生の息子はサッカーボールを追って車道に飛び出す。そこへ運悪く一台の車が…。息子を亡くしたプロサッカー選手ゴールキーパーの灰沢と、その事故の加害者の息子カノヤ。カノヤもプロサッカー選手を目指していた。お互いに絶望を味わい苦しみ続けていた。そして灰沢のチームの優勝のかかった最終戦。それまでベンチ外だった灰沢にも出番がまわってくる。そして新進気鋭な新人として頭角を現し始めたカノヤも同じピッチに立っていた。ラストに希望が見えて爽やか。カノヤとシュウト少年との交流、その食事シーンでの涙にもらい泣き。2021/03/23

ユザキ部長

103
人と人が交わり何処かまた違う場所で別の角度から再び交わる。運命なのか宿命か神様しかわからないけど何時だって皆一生懸命。息子に蹴ったボールの力加減も足先で防いだPKだって紙一重。だから明日は明るい。2019/08/21

ゆみねこ

97
初読みの作家さん。交通事故で息子を亡くしたプロサッカー選手と加害者となった男の一人息子のサッカー少年。サッカーが主題ではあるけれど、交通事故が被害者・加害者双方の家庭を壊し、人生をも変えて行く悲劇だということを痛感。二人の試合後のシーンが良かった。車の運転、私も気をつけたいとあらためて思った。これは良いお話、好きです。もっと多くの人に読んで欲しいので、編集して登録しました。2012/10/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5183762
  • ご注意事項