出版社内容情報
生きているのだ。私の記憶のなかに_。現代日本文学の天空を
鮮烈によぎった巨星たち。またとない、その五つの光輝を、敬愛と
友情をこめて活写する。
内容説明
かくも壮大稀有なる「日本回帰」、谷崎潤一郎。果敢に前衛を目論んだ「伝統主義」、川端康成。仮面をわが肉体とした「美の極点」、三島由紀夫。日本語の可能性に飽くまでも沈潜した「無国籍者」、安部公房。日本人のための日本奪還の「英雄」、司馬遼太郎。現代日本文学の天空を鮮烈によぎった、またと出会えぬ作家たち。その軌跡を活写する五つの論考。敬愛と友情、そして感謝をこめて―。
目次
谷崎潤一郎
川端康成
三島由紀夫
安部公房
司馬遼太郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaichiro
67
キーンさんが愛した日本文学^_^文豪と呼ばれた谷崎、川端、三島、安部、司馬との交遊録。ここに記載のある5人とも好き。特に三島由紀夫は日本文学を芸術に昇華できる可能性を見出した点で、この国の宝だと思える^_^彼の哲学に共感する、しないはそれぞれと思うが、 彼の作品に他とは違う強烈なオーラを感じることは誰でも同じではないか^_^三島も含め友人の立場から重ねた5人との交遊のを切り取りながら、それぞれの人間像に迫るルポ的な書。2005年に購入以来、何度もブックオフ行きを考えたが、手元に残し偶に再読している。2019/05/27
ロマンチッカーnao
24
谷崎・川端・三島・公房・司馬という日本を代表する昭和の作家たちへの評論、交遊録、回想という感じです。その中でもなぜ、ノーベル文学賞は当時、谷崎と三島という国内、国外でもっとも評価されていた二人でなく、川端康成だったのか。もちろん川端も大作家に違いないが、それはあくまでも国内のみであり世界的には翻訳本は全く売れていなかった。その何故におi て書かれている箇所が最高に面白かった。それと、司馬遼太郎という国内でもっとも有名な作家がなぜ世界でほぼ無名なのか。翻訳では伝えきれないとのこと。面白い本でした。2016/08/18
佐島楓
17
谷崎・川端・三島・安部・司馬。この五人のいずれとも交流があったキーン氏であるが、具体的な温かい交流の内容を書くというより、少し離れた学者の視点で彼らを見つめなおしている印象を受けた。ノーベル賞が川端に与えたかもしれない影響、司馬さんとの対談の裏話、興味深く読ませていただいた。かろうじて私はこの五人の著作に触れている。もっと掘り下げていきたい。2013/01/15
i-miya
11
2006.02.06 谷崎・川端・三島・安部・司馬 S28 ドナルド・キーン来日 永井道雄との出会い 偶然京都で 中央公論社長嶋中鵬二と幼馴染の永井 P014 アーサー・ウェイリー 谷崎から細雪をもらう、それをもらう フォード財団で来日のキーン 東京在住、サイデンステッカー 2006.02.08 「小説滋幹の母」1949-50 S31「鍵」妻夫各日記を各人了解のうえの生活を送る夫妻 S36 「風癲老人日記」老人の性生活 2006/02/08
井戸端アンジェリか
8
三島LOVEが溢れている。川端の章なのに三島をベタ褒めなのが面白かった。 ノーベル賞のアレコレや三島と川端の死、日本語を母国語としない人から教えられるのはケッ!と普段なら思うところでありますが、私はキーンさんが大好きなのでスーっと素直に心が納得しました。 現在92歳ですか、お願いだから元気なうちに国民栄誉賞をあげて下さいな安倍さん。松井なんかにあげてないでさ。2015/05/02