鬼神の如く―黒田叛臣伝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 311p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103280132
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

諸藩取り潰しの機会を窺う幕府に、すすんで主君の不忠を訴え出た黒田家家老の真意は? まことの忠義とは何かを問う骨太の歴史長篇。

戦う相手は殿でも、ましてや将軍家でもない。――神君家康公だ。「謀反の疑いあり」――黒田家家老・栗山大膳は、虎視眈々と大名家の取り潰しを狙う幕府の次なる標的は自藩だと悟りながら、主君を訴えた。九州の覇権を狙う細川家、ルソン出兵を志す将軍・家光、そして藩主・黒田忠之に命を追われるなか、不敵に振る舞い続ける大膳の真意とは? 黒田騒動を舞台にまことの忠義と武士の一徹を描く本格歴史長篇。

内容説明

虎視眈々と大名家の取り潰しを狙う幕府の、次なる標的は我が藩だ―黒田家家老・栗山大膳はそう悟りながら、主君・忠之に謀反の疑いがあると幕府に告発した。訴えは藩を、将軍・家光を動かし、大膳の元には様々な思惑を秘めた刺客たちが攻め寄せる。それでも自らを忠臣と称して不敵に振る舞う大膳の真意とは?天下の逆臣・栗山大膳が仕掛ける前代未聞、一世一代の大戦!“黒田騒動”を舞台に、まことの忠義を描く著者会心の歴史長篇。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て2005年『乾山晩愁』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で松本清張賞を、2012年『蜩ノ記』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

138
官兵衛関連の本は何冊か読んで調べたので、栗山大膳や後藤又兵衛のような腹心の家来達がなぜ官兵衛の息子や孫と袂を分かつことになったのか気になっていたので、その経緯を知るきっかけにと本書を手に取った。どこまで史実かはわからないが、家を潰されないための努力がよくわかる。彼の頭にあったのは、官兵衛様、長政様であったのだろう。彼らの顔を潰すようなことはしてはならなかったのだ。息子に代替わりしていく難しさをつくづくと感じる。 2017/05/25

とん大西

115
我が身をなげうち、御家を守り通した家老・栗山大膳。深謀遠慮にして大胆不敵、業腹ながら垣間見える厚情。外様譜代を問わず幕府が仕掛ける陰険な政略。ターゲットにされた外様の雄・黒田藩。主君に疎まれようと、幕閣に睨まれようと終止涼しげな顔で立ち回る栗山大膳。それが、もう男前過ぎるのです。まさに鬼神の如く。刺客が来ようが開けっ広げで意に介さず。どこまでも己れを信じ己れを貫き…。強面老中らとの息詰まるような心理戦も読み応えありましたが、将軍家光との臨場感あふれるギリギリの対決には拍手喝采。天晴れです!2020/03/08

のり

93
黒田藩3代目の忠之に仕える家老の栗山大膳。主君に対してもズバズバ言い募り疎まれる。忠之にも問題があるが…挙げ句の果てに、幕府に対して、主君が謀叛の疑いありと告発。幕府の思惑も家光の命により黒田家お取り潰しを計る。大膳の狙いは…各方面に張り巡らされた策略。如水を彷彿とさせる知。柳生や武蔵、天草四郎まで登場の豪華メンバー。本心を覚らせない豪快さと、繊細を兼ね揃えた一本木な大膳。天晴れである。2017/04/18

starbro

80
葉室麟はコンスタントに読んでいる作家です。著作が多過ぎる感がありますが・・・黒田騒動を著者ならではの視点で上手く書いている気がします。脇役で実在の著名人(宮本武蔵、天草四郎、徳川家光等)が多く登場するのは新鮮でした。加藤(清正)家は滅びましたが、本作の主人公栗山大膳の智謀・活躍で黒田家は永続したという事ですネ!2015/10/02

いつでも母さん

77
併読して読んでいたので読了に時間がかかった。葉室作品は卒業かなと思っていたのだが、これは良かった。御家の為か、藩主の為か。真の臣下のあるべき姿は・・ちょっと広げすぎの感は有るものの、今の日本をダブらせて本を閉じた。大膳の様な骨太の政治家はいるだろうか・・2015/09/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9807095
  • ご注意事項