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ラブレス

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103277224
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

戦後の北海道、どん底の家に生まれた百合江は、旅芸人一座に飛び込む。「歌」が人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢である事も知りながら爆涙必至!

内容説明

馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。風呂は週に一度だけ。電気も、ない。酒に溺れる父の暴力による支配。北海道、極貧の、愛のない家。昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。他人の価値観では決して計れない、ひとりの女の「幸福な生」。「愛」に裏切られ続けた百合江を支えたものは、何だったのか?今年の小説界、最高の収穫。書き下ろし長編。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。2007年、デビュー作となる単行本『氷平線』(文藝春秋)で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

220
愛のない極貧の家で育った姉妹。旅の芸人一座に飛び込み、その日暮らしの生き方を選んだ百合江と理容師になって思い描く幸せのために妥協しない里実、どちらの人生が幸せだったのか?個人的には百合江の生き方に共感します。不幸もあったけど、多くの人に愛された豊かな人生。石黒を選んでいたらもっと楽な人生だったかもしれないが、そうしなかったのも百合江らしい潔さだったような気がします。暗い北国の風景の中で、百合江のカラッとした生き方に救われたような‥。幸せの意味を問う物語に引き込まれ、とても面白かったです。 2018/04/08

れみ

204
北海道の開拓の村で貧しい暮らしをしていた百合江が歩んだ波乱に満ちた人生のお話。終始暗くて不安定で気が滅入ってくるのになぜか読むのをやめられないのはこのお話のラストに少しでも希望の光が差し込むといいなと思うからなのかも。百合江と妹の里実の関係、百合江の娘の理恵と里実の娘の小夜子の関係もついつい引き込まれた。2016/03/07

文庫フリーク@灯れ松明の火

201
【僅かばかりの運の悪さを恨んだりして。人は哀しい、哀しいものですね】直木賞『ホテルローヤル』読了後、読み友さんよりおすすめ頂いた、親子三代に渡る女の情念の物語。ハギの娘、里見と百合江。その姉妹の娘、小夜子・絹子・綾子・理恵と、女性陣に比べ登場する男は良くも悪くも影が薄い。「どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を惜しんだりしない」そんな生き方が本当にできたなら‐死を迎える手に握られた位牌【思い通りにならない夢を失くしたりして。人はか弱い、か弱い→2013/09/07

おしゃべりメガネ

200
自分的には作者さんの最高傑作と思います。賛否両論、好き嫌い別れるべくして当然の内容、そして世界観かなと。作者さんの作品全般に一貫していますが‘暗い’のは必須なのかなと。とにかく読んでいて、ページをめくるごとにどんどんキモチが重たくなるのは否定できません。しかし、どういうわけか自分は読むことがやめることができず、その世界観を最後まで堪能しようと思うのです。多分、ダメな人は最初の数ページでNGなんでしょうね。「誰が聴いてもわかる歌声」ならぬ「誰が読んでもわかる文体(文章)」を確立している作家さんと思います。2011/10/29

えむ

166
百合江、里実の姉妹、娘たち理恵、小夜子、綾子の物語。桜木さん4冊目。百合江の苦難続きに先が気になり、次々にページを捲りました。引き込まれました。暗く重い雰囲気が漂う小説でありながら、読むのを止めることが出来ませでした。「不幸も幸福も長く続かない」という言葉がありましたが、それならまだましです。実際には幸薄い人を沢山知っています。2015-22015/01/04

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