黄金の樹

黄金の樹

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784103272069
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

昭和20年代後半、政治の季節―。文学への志と両親との葛藤に苦しむ、東大生・倉沢明史の前に現れた年上の女・麻子。政治に走る友人たちへの負い目と、彼女への欲望の間で揺れ動く明史。そして、失ったはずの恋人・棗との再会、恋の成就―。彼の青春は一つの完結を迎えた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

86
姉妹編の『春の道標』に感動して、すぐに本作を積んだ。もっと早く読んでおけばよかった、と後悔しながら読み終えた。家庭教師のバイトに明け暮れる日々、友達のお母さんのやさしさに仄かな心のときめきを…、父親の古いカメラに夢中になったり…と主人公に幾重にも重なって親近感を抱きました。大好きな黒井氏の青春恋愛小説にたっぷりと浸って、懐かしい一時を過ごした。2022/05/31

クリママ

45
「春の道標」の続編。青年は大学生になるが、高校時代の恋人との別れを引きずり、文芸同人誌、政治活動にかかわるも今一つ消極的。時代は朝鮮戦争のころ。熱心に政治活動をする彼の世代、戦中は学童疎開をしていた彼らは、戦争をどう思い、戦後をどう過ごしたのだろう。今の大学生は、何に興味を持ち、熱心に考えるのは何なのだろうとふと思う。彼の心を占めるのは、家庭教師先の母親。彼女の理性がなければどうなっていたのだろう。父親との確執や別れた人との恋の復活とともに、その不安定なうつろいやすさ、愚かさが青春なのだろうと思った。2022/07/05

まめちゃん

2
昭和25年ころの東大生の主人公と、高校時代の後輩と出会いと別れ、 家庭教師の子供の妻との淡い恋情を中心とした物語。 現代と違い、携帯などなかった時代の手紙での連絡など、かえって 新鮮な手段に感じられました。 棗がどうしてまた主人公に戻ってきたのか、よく理解できない部分も ありますが、幸せになってほしいと思うと同時に、人妻の思慮深さ にも愛おしさが感じられました。 また、当時の社会背景も取り入れられて、その世代に生まれた者としては 感慨を新たにしました。2015/01/31

maru

0
いつ読んでも最高 2023/10/10

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