内容説明
墜落事故の後、新会長に就任した国見の組織改革が始まった。主人公・恩地は、ご遺族係から突然、会長室の部長に抜擢された。だがそこには、政・官・財を巻き込んだ暗闇が繰り広げられていた…。権謀術数に溺れる会社の魑魅魍魎、利権を貪る政治家と官僚。航空会社を蝕む腐敗の構造が、しだいに白日の下にさらされるが…。航空会社の“闇の構図”を描き切った今世紀最後の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃんみー
32
生温い親方日の丸体質は是正されるのだろうか?会長として迎えられた国見が設立した会長室での奮闘で恩地らが奮闘するも、会社を食物にして私腹を肥やそうとする輩たちと対峙できるのだろうか?!頑張れ、恩地!頑張れ、国見!さぁ、いよいよ最終章です(^^)2013/03/24
Mzo
22
御巣鷹山から1年も経たぬのに、国民航空の一部の腐敗が凄まじい。国見会長と恩地らの戦いはまだまだ続く。最終巻は、果たしてどんな展開になるのか。2017/03/29
MA
16
どこまでいっても、保身。私欲を満たすことにしか興味がない連中には本当に嫌悪させられる。国見会長や恩地には頑張って欲しい。国見会長が辛い立場に置かれるんじゃないかと、ハラハラする。2019/05/30
kumako
15
前半の国見会長の働きぶりは清々しくて良かったけど、後半は上層部の汚職話だらけで読む気が失せた。組合は統合できないまま、この会社はどうなるのやらという心配もさることながら、御巣鷹山事故の遺族への対応は、この巻ではおざなりになっていて、今になってようやく、この小説は航空事故を小説化したものではなくて日本航空という会社の問題(半官半民企業全般の問題?)を小説化したものだったんだと気付きました。最終巻は恩地や国見のような誠実な人物に活躍して貰い、気持ちよく物語を締めて欲しいですが…。2023/06/14
再び読書
11
事故後、新会長に就任した国見の会長室の部長に抜擢された恩地。しかしながら、結果として存続出来なくなった日航を象徴している葛藤に、怒りに熱くなる