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月桃夜

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103198314
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

虐げられた禁断の愛に神の裁きが下される。その時、二人は時空を超えたー。過酷な薩摩支配下の奄美に生きた兄と妹の永遠の想い。傑作歴史ファンタジー!

内容説明

想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。熱く狂おしい兄の想いを、お前はなかったことにできるのか?かつて二百年前の奄美にも、許されぬ愛を望んだ兄妹がいた…。苛酷な階級社会で奴隷に生まれた少年は、やがて愛することを知り、運命に抗うことを決意する。第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。

著者等紹介

遠田潤子[トオダジュンコ]
1966(昭和41)年、大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒業。ドストエフスキーや森鴎外の作品世界の「理不尽な何か」に惹かれ、創作活動を始めた。現在、大阪府在住。『月桃夜』にて第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

utinopoti27

162
ボートで海を漂流する少女の目の前に降り立った一匹の大鷲。鷲と少女の語りから始まり、何故少女が海で死のうとしたのかを明らかにしていきます。そこに絡む奄美の伝説、フィエクサとサネン兄妹の悲恋の物語・・。自らの命を捧げてまでも護りたい存在がある。それを愛と呼ぶのなら、何と哀しい物語なのでしょうか。日本ファンタジー大賞を受賞した本作ですが、そんな献身的な愛こそが、現代にあり得ないという意味でのファンタジーなのかもしれません。哀しくも美しい世界観が溢れる作品でした。遠田潤子という才能に身震いせずにはいられません。2018/02/17

ちょろこ

146
魂の交わりを感じた、一冊。苦しみとせつなさ溢れる遠田作品、良かった。200年前の奄美の歴史を背負った遠い遠い"許されぬ愛”が時を旅して、夜の海を漂うカヤックの上で幻想的に交錯していく。静かな夜の波の音、サネン花の香り、砂糖黍の甘さ…想像が五感を刺激してくる。苦しみ、せつない想い、神に誓った愛を心で味わい、そして何よりも 貪る、喰らい尽くしてやる…という遠田さんの、心の底を奮い立たせるような言葉の美を味わい尽くした。愛よりももっともっと深い…魂の交わりなるものを感じる余韻が続く。2020/11/21

美紀ちゃん

123
海の話は鷲と茉莉花の話。山の話はフィエクサとサネンの話。それが交互に。 沖縄言葉カタカナが多くわかりにくかった。 底辺の奴隷のような暮らしをしていた兄妹。 兄は妹を求めていた。でも妹は肉を交わすなんて、そんな怖しいことはできない、と拒む。 エロシーンはエロくなく、とてもマイルドな選ばれた言葉で書いてあるので、状況が想像しにくく微妙にわかりにくい。交わる以上の接触があったということなのかなぁ? でも、2人の想いは、なんだかすごい。時空を超えて結ばれるといいなぁと思う。 この世の終わりで逢えることを、祈る。 2020/11/10

モルク

100
自らの命を天にまかせようとカヤックで漂流する茉莉香が、この世とあの世の間で月桃水の匂いにひかれてやって来た隻眼の鷲と出会う。茉莉香の話と鷲が語る奄美大島での悲しい兄妹の話が交互に語られる。我が身を捧げても守りたい人、たとえ兄妹であっても。奄美の方言と山の神が遠い幻想の世界に引き込む。遠田さんの描くファンタジーの世界、最近の遠田作品とはまた違う魅力を感じた。2018/07/17

榊原 香織

89
濃厚な亜熱帯の森の香り 奄美では山の神やら子供の幽霊やらなにやら出そうな気がする。 江戸末期の悲惨な島暮らし。悲劇の兄妹。この人のはファンタジーでも暗く重い。いつも最後に救いはあるけど。 囲碁の話が分からないなりに面白い。2021/03/26

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