出版社内容情報
社会とはなんであろうか。どうして全員が二人組でなくてはならないのか。大学卒業、半同棲、小説家デビュー・・・。無冠の帝王が描く、純粋素朴な社会派小説。
内容説明
なぜ全員が男女二人組でなくてはならないのか。川を二つ越えながら、日々を営んでいた。埼玉とたまプラーザ。この小説の舞台は狭いアパートだ。社会とつながりに切り込む“反恋愛小説”。
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年、福岡県生まれ。國學院大學文学部日本文学科卒業。2004年、会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
75
2人ぼっちの世界の話で、淡々とした文章から突き放されているような印象すら覚えます。大学生のときに知り合った紙川さんと栞。愛されているのに甘えることができず、恋愛の甘さもなく、不思議な関係に独特の雰囲気を感じました。自分から振りながら、またヨリを戻したいと思う栞は少し勝手な女の子に見えました。でも最後には2人だけの世界ではなく、1人でも多くの人に愛されたいと思うようになったのは成長の証しなのかなと思います。結局2人だけで生きるのはできなくて、沢山の人とつながりながらじゃないとうまくいかないのでしょうね。2015/05/31
Satomi
74
恋愛小説とうほど甘くもなく、社会派小説と言うほど小難しくもない。程よい緩さと可笑しさを併せ持つ。働きながら小説家を目指す女性とその彼氏との噛み合わない想いがなんとも言い難い。哀しもあり、そこが面白くもある。タイトルからして少々あざとさを感じるし、言葉遊びとも思える回りくどさもある。けれど不思議と心地よい。初読作家さん。他の作品も気になる。2017/05/21
夜長月🌙@読書会10周年
64
二人組とはカップルを指します。おおむね男女ですが同性どうしでも構いません。社会の構成要素として男女のペアがよく重要視されますが3人の仲間も一人きりも大切であることに変わりはありません。ヨーロッパなどでは役所への届け出は個人単位であり家族や夫婦にとらわれないことが書かれています。人と人が損得ではなく、依存でもなく一人一人が存在するだけで意味があることを改めて認識させてくれます。しかし正解はなく、自分自身がどう思うかだけなのかもしれません。2023/07/11
なゆ
57
主に恋愛について書かれてるようでいて、どこか社会の単位や制度にもの申す、な小説。なんとなくわかって来たナオコーラさんのこだわりが色濃く出てる気がする。そう、性別とかの、何かの〝くくり〟で縛られることへの嫌悪感みたいな。小説家志望の栞と紙川さんの恋と生活は、どこか大きくずれてるような心許なさ。型にはめられようとするたびに、曖昧に返事しながらも心で猛反撃する栞が面白い。男と女の二人組よりも、ふたりぼっちよりも、もっとたくさんの人とゆるやかに繋がって生きてゆきたいと思う栞の気持ちも何となくわかるな。装丁素敵~★2014/09/04
ぶんこ
54
素直に甘えられない栞が気の毒に思っていると、ブラックとも思える職場で低収入にもかかわらず、紙川への送金をする大らかさに驚かされる。紙川も言うことは素敵なんだけど、行動が伴ってないと思うのはわたしだけか?栞も少しは気付いていたのではないのか。ナオコーラさんの作品の主人公は生き方が不器用な人が多い。栞も大らかさな面と考えすぎな面があって、分籍までするとは驚きました。親が知ったら悲しむだろうな。2016/11/06