内容説明
『古事記』『万葉集』から平安文学まで、やさしい古典入門。
目次
ヤマトタケルのラブメッセージ―古事記
天皇も庶民も歌を詠んだ―万葉集
子を失った悲しみはいつまでも―土佐日記
恋のベテラン、和泉式部―王朝女流歌人
彼は今日も来てくれない―蜻蛉日記
日本のシンデレラ―落窪物語
悲しいことはいいの。楽しいことだけ書くわ―枕草子
道長ってなんて豪胆―大鏡
毛虫大好き姫君―堤中納言物語
女はやっぱりしたたか―今昔物語集
平安朝のオスカル―とりかえばや物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aika
46
平安時代までの日本の古典文学作品を楽しく詳しく辿ることができました。特に印象に残った万葉集は、王朝や貴族のきらびやかさだけでなく、名もなき庶民の率直な歌も収められていて、防人の任に就くために、他に身寄りのない子供たちを残して旅立たなければならない父親の悲嘆の歌に、切なくなりました。山上憶良の家族愛に溢れる歌も、読んでいくと心が温かくなって、お父さんと賑やかな子供たちの当時の光景が目に浮かぶようでした。土佐日記では、紀貫之が赴任地で娘を亡くした悲しみを余情深く認めていて、現代語訳を読みたいと思いました。2018/07/13
ルルママ
7
田辺聖子さんが、私たちと古典の世界の橋渡しをしてくれている本。千年昔から、人の心は同じ。古典文学もその頃に生きていた人たちの事も身近に感じる。もう一度、読み返したい…でも、ひとまず、下巻へ。2019/04/11
みゆき
6
古事記、万葉集、土佐日記、和泉式部日記、蜻蛉日記、落窪物語、枕草子、大鏡、堤中納言物語、今昔物語集、とりかへばや物語。土佐日記をなぜ女言葉で書いたか?の考察が面白かった。2017/06/11
ヒロミ
6
面白かったです。落窪物語についてよく知らなかったので興味深く読みました。とりかへばや物語も、ざ.ちぇんじ という漫画であらすじは知っていたものの原典はもっとドロドロしているんですね。おせいさんの優しい語り口でわかりやすく古典案内が楽しめます。2014/01/02
あいくん
5
☆☆☆☆田辺聖子さんの「新源氏物語」「霧ふかき宇治の恋」は良かったです。田辺聖子さんは古典に関する小説やエッセイがいくつもあります。古典まんだらは2000年頃に行われた講演がもとになっているということです。上下二冊で、古事記、万葉集、土佐日記、蜻蛉日記、落窪物語、枕草子、大鏡、堤中納言物語、今昔物語集、とにかえばや物語、平家物語、方丈記、宇治拾遺物語、百人一首、とはずがたり、徒然草、西鶴、近松、芭蕉、蕪村、一茶など古典全体を網羅していますが、竹取物語、伊勢物語、源氏物語はありません。2015/07/10