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ロスト・トレイン

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  • サイズ B6判/ページ数 291p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103120827
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日本のどこかにあるという、誰も知らない廃線跡。奇跡を探しに、僕らは森へと旅立ったーなつかしくなる、旅に出たくなる、心温まる大人の青春小説。

内容説明

誰も知らない場所行きの列車が、いま、目の前で動き出す―なつかしくなる、旅に出たくなる、じんわり切ない大人の青春小説。

著者等紹介

中村弦[ナカムラゲン]
1962(昭和37)年東京都大田区生まれ。國學院大學文学部卒業。2008年『天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語』で第20回日本ファンタジーノベル大賞を受賞、デビュー。丁寧な調査に裏づけされた構成、読みやすくゆきとどいた文章、明るい中にもどこか影のあるキャラクターが人気を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

146
親交を深めた老人が消息を絶ち、彼のテツ仲間である女性と共に牧村は「まぼろしの廃線跡」へ向かう。時空が歪み、異界との間を列車が行き来するという『銀河鉄道の夜』のオマージュ作であり、人生を鉄道に見立てたテーマ性や簡潔なストーリーもノスタルジーに浸らせる。話の刺激や盛り上がりよりも、未知なるものへの好奇心や廃れゆくものへの愛着、別の人生に対する憧憬などを主人公たちと共有させることが本書の狙いだろう。「別の世界へ行くのは、いろいろ試してからでも遅くない」—多くの荷物を失う片道切符の人生は、乗り換えに注意を要する。2021/10/16

財布にジャック

97
テツではないのですが、廃墟や廃線にはかなり惹きつけられました。天使の歩廊の世界観があまりにも良かったので、この本はどうかなぁと心配でしたが、期待を裏切らない世界が待っていてくれました。お話自体はストレートなので、予想通りに進んでいきますが、謎めいていてミステリー仕立てになっているので、どんどんと読み進められます。ミステリー、ファンタジー、恋愛のバランスも良く、おまけにノスタルジックで幻想的な雰囲気も味わえます。2011/09/27

そのぼん

72
失踪した友人を探していく男が主人公の物語でした。一瞬、ミステリーかなと思いましたが読み進めていくうちにファンタジーだとわかりました。鉄道にはあんまり詳しくないですが、最後まで読みきれました。2013/04/19

ぶんこ

63
列車が消えるミステリーを読んだ事を思い出しましたが、作者も結末も全て忘れている事に気づかされた本となりました。(あれは誰の何という作品だったのか?)こちらはミステリーというよりはファンタジーでした。岩手と青森の県境へ、廃線跡を辿って終着駅に着くと、奇跡が起こり。これ以上は書けませんが、本当は降りたくなかった菜月と暮らしている牧村さんの不安を考えると切ないです。乗り鉄な私には、夜行列車から降り立った、人気の無い夜明けの、強烈に孤独を感じる瞬間の胸キュ〜ンとした感じは病みつきになると分かります。危ない危ない。2016/07/04

キキハル

56
ミステリーでもありファンタジーでもあるこの本は、鉄道ファンや廃線マニアであれば小躍りして喜ぶだろう。幻の廃線跡。そこの始発駅から終着駅まで歩くと奇跡が起きる。そんなマユツバ話を信じて消えた平野の後を追った牧野と鉄女の菜月。二人の道行は不思議な出来事に満ちていて。人生にはいくつかの乗り換え駅がある。そこでは出会いもあれば別れもある。自分が本当に行きたい(生きたい)場所はどこなのか。それを見つけられた者は僥倖なのだろう。静謐な筆致は何かに耐えているかのように物悲しい。どうして人は居場所を探して旅するのだろう。2010/11/07

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