そうか、もう君はいないのか

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  • サイズ B6判/ページ数 156p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784103108177
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

妻がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない──。硬骨漢として知られた著者の胸に秘められた、かくも清新な妻への愛。声にならぬ悲しみと眠れぬ夜のなかで、振り絞るように綴られた感涙の半生記。凛とした日本人の姿がここにある──。

★児玉清氏絶賛!
「お金がすべてに先行する今日、熟年離婚が当たり前のことになりつつある中で、人を愛することの豊かさ、素晴らしさ、そして深い喜びを真摯に教えてくれる、城山文学の最終章である」

内容説明

五十億の中でただ一人「おい」と呼べる妻へ―愛惜の回想記。新発見遺稿。

著者等紹介

城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927‐2007。名古屋生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大学に奉職、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』により文学界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。96(平成8)年、菊池寛賞を、2002(平成14)年、朝日賞を受賞。2007年3月22日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

258
僅か156Pの中に溢れんばかりの妻への思い、感謝がこれ以上ないくらいビッシリと綴られており、一言では絶対に言い表すことのできない感動があります。著者と妻との出会いから死別までの半世記ですが、とにかく妻「容子」さんが明るく、常に前向きでアタマが下がります。奇跡的な再会もドラマチックですが、常に2人寄り添って人生を共に歩んでいく姿は読んでいて、ジンワリと胸がうたれました。ページをめくるたびに伴侶の偉大さ、大切さを感じさせてくれます。妻が最期を迎える記述は涙なしには読むことができず、夫婦の強い絆に涙しました。2015/05/21

黒瀬 木綿希(ゆうき)

141
直木賞作家・城山氏が綴った妻への愛惜の回想記。私小説と言うべきかエッセイと言うべきか。ちょっと天然でお転婆な可愛らしい奥様との日々が決して堅苦しくない文章で記されており非常に読みやすい。かと思うと回顧する年代が最近のものになるにつれ徐々に悲壮感溢れる筆致に。「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」 晩節を汚す人物が多い現代人の心に刺されたし。2021/03/08

121
城山さんにとっての容子さんの存在がとてもかけがえのないものであり、他の作品の素晴らしさは容子さんの存在あってのことであったことを実感した。2012/12/16

エンブレムT

92
半生を共にしてきた最愛の伴侶。隣で笑い眠るその存在が当然であった日々。その不在に慣れることが出来ないまま過ぎていく1人の時を、サラリとした語り口で綴っています。「そうか、もう君はいないのか」そのつぶやきですら独り言ではなく、亡き奥様への語りかけであることに気付いた時、涙腺が決壊してしまいました。娘さんのあとがきを読んだら、更に涙がとまらなくなりました。2010/05/10

大福

85
初めての作家さん。先立たれてしまった奥さまに対する愛情がひしひしと伝わってきました。城山さんは容子さんを心から愛されていたんですね。お互いを理解し尊重できる夫婦になりたい。色々と考える一冊でした。2019/03/17

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