いさご波

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103070627
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

何があろうとも、歩いていくしかなかった。お家断絶に見舞われ、藤野親子は江戸を目指した。艱難辛苦の末、息子の代に前橋で仕官は叶ったが、よそ者ゆえの密命を課された。時代と人生の「波」に揺らぐ武家の生きようを描く秀作群。

著者等紹介

安住洋子[アズミヨウコ]
1958年、兵庫県尼崎市生まれ。1999年、「しずり雪」で第三回長塚節文学賞短編小説部門大賞を受賞、2004年、中短編集『しずり雪』で小説家デビューを飾る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

61
およそ三十数ページの短篇六作。巻末を締める「澪の波」に惹かれる。武家の次男・康平は医師の樋渡のもとで医学と儒学を学ぶ十三歳。先々の元服を控え、住み込みの弟子として、苦しむ人を助ける樋渡のような医師の道を本格的に歩もうと決心する。市井の医師として頼られつつ、殿の侍医を嘱望される腕を持つ樋渡。若き頃、麻疹で子を失い妻は去り、指揮を取っていた普請場の事故で命を落とした者への詫びと謝罪のため引責し、禄を返上(武士を辞める)した師と亡き康平の父との交誼。康平を養子として迎えるため、康平の将来を見据え→続く2012/08/04

25
切ない…>_<…武士ってイロイロなのね、当り前だが。大変な境遇の武士の方々の短編集でした。表題作の1作目でどよ〜ん、次々、どよ〜んとしますが読後感は悪くないです♪2016/01/30

ごへいもち

11
沙(いさご)の波が一番だった2023/09/03

あかんべ

11
短編集なのがおしい。この話のつづきを読みたいと思う話ばかりだ。話のひきだしはたくさんありそうな作家さんだから、長編をどしどし出して欲しい。各話の題名のページに添えられた絵は、てぬぐい地にはなしにふさわしい絵を染めたもの。粋な挿絵となっている。2012/02/04

Suu.

9
美しい物語に終始ため息が漏れた。武士を主人公に紡がれた短篇集で、やや既視感を覚える話筋であるものの、それでも読後の清々しい心地は、そう易々と出会えるものではないはずだ。立派な登場人物の集合体過ぎる気もしないでもないが、良い話が読めたなぁという幸福感が勝ったのは言うまでもない。きっと各章の主人公達が老若男女問わず、誰もが一度は理想したヒーローとして描かれ、作中で出会えるからなのではないだろうか。特に「暁の波」の幸四郎と「ささら波」の甚八にはグッときてしまった。大切な人と生きていく事の尊さを再確認できた作品。2013/06/26

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