内容説明
高い所から落ちてもスクッと立つ。そんな野良猫の気品ある身のこなしを訓練していた少年が、多くの言語を独学。アフリカ縦断などの体験を重ね、先駆的研究者となっていく痛快な半生。
目次
どこから来てどこへ行くのやら
焼け野原に鐘が鳴る
野良猫になった少年
小さな出会い、大きな出会い
猫少年、オリンピックをめざす
驚異の“二重時間割”編み出す
芸術論は新宿飲み屋街で
シュールレアリスムの女たち
たくましき夜の芸術家
アフリカ大陸縦断隊結成される
アフリカへの道は船酔いの旅
いざ行かん原野の果てまで
波乱万丈のソマリア単独行
砂漠を越え、ジブチへ
白いシーツと寂しい夜
ランボーが弱音を吐いた街
旅の終りの道づれたち
マージャン知らずの学生時代
学問好きの野良猫教師生活
“先立つもの”を追い越して
惹かれ続けてテクテクと
著者等紹介
西江雅之[ニシエマサユキ]
1937年東京生れ。文化人類学者・言語学者。日本におけるアフリカ諸語、ピジン・クレオル語研究の先駆的研究者。主な調査地域は、東アフリカ、カリブ海域、インド洋諸島。多数の言語を操り、現地の人々に自然に溶け込む型破りの研究態度で“裸足の学者”との異名をもつ。東京外国語大学、早稲田大学、東京芸術大学などで教壇に立った。’84年「アジア・アフリカ賞」受賞。美しいエッセーの書き手としても知られる。音楽・芸術関係での活躍も多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
44
なんと破天荒でチャーミングなお人か。思春期にこんなエッセイに出会ってしまったら私、違う人生を歩んでいたかもしれません。何と言っても圧巻は約半世紀前のソマリア一人旅。嗚呼それなのに、あとがきの「他人様に話すほど価値があることが自分の過去には見つからない」という一文を目にしてのけぞりました。2015/03/09
花男
6
この方こそ自分の好きを追求した方である。 喰えるか喰えないか判断してサラリーマンをやってる自分が情けなくなる。 喰えるかは考えず自分の好きを追求した方こそ真の幸せものだ。
ishii.mg
2
今世紀になって高野秀行がソマリランドに行ったが、この人は半世紀も前にたった一人でほっつき歩いている。それだけでなくページごとに仰天エピソードが満載ですごいことになっている。ある意味天才だが学校教育とは相性が悪かった。今なら発達障害とかなんとか言われてレールから外れて終わったかもしれない。型破りで引き出しが多すぎた人とでもいおうか。2021/04/20
Haruhiko Hasebe
1
わたしのスワヒリ語の先生です、蝦蟇屋敷の掃除をしました2021/02/14
えきゅー
0
タイトルも副題も表紙も見なくていいから、中高生に中身を読んでほしいと切に思いました。人としてものすごく面白い! 2重時間割とか実践できるのは学生のうちだけだし・x・2014/11/01