内容説明
地図は実用一点張りと思われがち。けれども、じっくり眺めるだけでも遊べるし、意外な発見もある。その土地の文化や政治、歴史も見えてくる。そんな奥深い地図の楽しみ方を紹介。
目次
1 地図の向こうに見えるもの(海ばかりの地形図を集めてみた;原野の地形図に夢想する ほか)
2 お国変われば地図も変わる(モナコとミュンヘンが同じ町?;お役所記号にこだわる日本 ほか)
3 地名が変わっていく…(大塚の北に南大塚がある不思議;地名抹殺の現場から ほか)
4 使いやすい地図とは(不便な会社別路線図;どちらが本当の御殿峠? ほか)
5 自分流地図の楽しみ方(百年前、ここは何だった?;川崎街道の旧道をゆく ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜の女王
17
同じ今尾氏の『地名の謎』が面白かったので、こちらも手に取ってみた。地図記号の国際比較や第3章「地名が変わっていく・・・」の項はそれなりに興味深かった。が、地図の陸の部分か少なければ少ないほど楽しいとか、海外地図の入手方法の蘊蓄などあまりにも今尾氏のディープ過ぎる趣味満載でついていけなかった。話題があちこちに飛んでまとまりを欠く、ただの雑学エッセイ集。よほどの同好の志でないと楽しめないと思われ。2019/04/17
naof
2
私も地図を眺めるのは好きだけど、この人マニアックすぎ。新住居表示による古来の地名の喪失、日本と海外の地図記号の特徴の違い…地図を見るだけでもいろんな背景が見えてくる。実用に供するだけでなく、見ようによっては地図も立派な表現媒体ですね。2011/04/01
merinido7
0
新潮OH!文庫、2000年10月発行、創刊50点の内の1点。(ポアンカレ書店にて購入)2015/01/14
京橋ハナコ
0
再読。長男が4歳の時の愛読書が道路マップだった。彼は半年で道路マップをぼろぼろにするほど見ていた。彼はカタカナの多くを電車の本で覚えたが、ひらがなと少しの漢字を道路マップで覚えた。今現在彼は我が家のカーナビである。そんなに面白いものかと買って読んだのがこの本で、地図とは見るものだと思っていた私が地図は読むと面白いのかと思わされた本である。再読して思ったのは東京の地理にもう少し通じていればもっと楽しめるんだろうということ。この人の関西版はないのかしら。2011/11/26
久守洋
0
最近は鉄道本も出している地形図界のホープ・今尾先生の処女作の文庫化。第五章は面白いが、全体的に雑学本に堕している印象があり今ひとつ。2009/11/18