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新潮文庫
空腹の技法

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102451083
  • NDC分類 934
  • Cコード C0198

内容説明

現代米文学の旗手オースターは、若き日に学校を中退し渡仏した。翻訳者・ゴーストライター・別荘管理人などの仕事で4年間糊口を凌ぎ、その後遺産を得て執筆に専念、“ニューヨーク3部作”を完成させた。当時書かれたエッセイや序文、4本のインタビューを中心に構成された本作は、ファンなら是非知っておきたい天才小説家誕生の秘密の宝庫である。文庫化に当り、更に未収録の3編を追加。

目次

1 エッセイ集
2 序文集
3 インタビュー集

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年生れ。コロンビア大学卒業後、数年間各国を放浪する。’70年代は主として詩や評論や翻訳に創作意欲を注いできたが、’85年から’86年にかけて、『シティ・オヴ・グラス』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表し、一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生れ。東京大学文学部助教授。『生半可な学者』で講談社エッセイ賞受賞

畔柳和代[クロヤナギカズヨ]
1967年生れ。東京大学教養学部卒業。同大学院修了。東京医科歯科大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シッダ@涅槃

34
【読了】ずっとタイトルに惹かれていて、やっと読んだという感じ。オースターについてはほとんどなにも知らないのだが(1冊投げ出しちゃった本があるくらい)、この本はオースターブレイク前のエッセイ集で、言わばインタビュー付きのファンブックである。しかし中身は知的で硬質。クヌット・ハムスン、エドモンド・ジャベス、ウルフソン、サー・ウォーターローリー、ホーソーンその他何度も読みたくなる評論多し。この本によってオースターという作家の土台となっている部分はかなり見えた印象があるので、次は実際の建造物たる作品も読もう。2018/01/26

踊る猫

33
ポール・オースターは不思議な作家だと思う。計算ずくで全てを書いているかのようで、意外とミューズが降りてきたり偶然に身を任せたりする受け身なところもある。この評論集はそんな彼の本質を知る上で捨て難い。実存主義華やかなりし頃のフランスを意識してか死をめぐるエッセイが多いことに興味を惹かれる。その一方でフランスの詩人を注視しジャベスやベケットといったマイナーながら巨人として君臨する作家をアメリカに紹介せんと奮闘してもいるのだった。今はリベラルな作家ではあるが、貧乏暮らしの最中に書かれたこれらの文章は強度が強靭だ2020/08/08

長谷川透

27
第一、二部は文学を含む芸術を通した〈語りえぬもの〉へのオースター流の果敢なる接近である。〈語りえぬもの〉を語ろうと試みた作品、作家を語ることは、書く者と書かれる者を後に書くことになるオースターの文学的な原点とも言える。オースターの小説家デビュー前の70年代に書かれた散文がほとんどだが、現在のオースター文学との隔たりを全くと言っていいほど感じなかった。第三部は、小説家オースターの『偶然の音楽』までのインタビューが納めてある。他二部ほどの難解さはないので、オースターファンにはここだけでも読む価値があると思う。2013/04/03

春ドーナツ

20
Ⅰエッセイ集:詩集(とその他。以下同)の評論だった。Ⅱ序文集:詩集に寄せたものである。Ⅲインタビュー:・・・保留。詩について語るときに我々の語ること。私はテーブルの端で、膝の上に軽く握ったこぶしを置いて耳をすます。しばらくすると、Aの散文自体が「ひとつの詩」なのではないかと思う。詩を語るには、詩で応えねばならないのだろう。未知の世界なので恐る恐る読み進む。次第に頭の中で言葉の断片が折り重なって、バベルの塔を作る。それは作るたびに壊されるものだ。終わりなき反復はある種のリズムを私にもたらす。言葉。非ー言葉。2018/10/20

ふん

5
パリに行くのにアメリカの作家の本をもってきてしまった、と思ったら、フランスの話がたくさんでてきて大正解だった。フィリップ・プティが綱渡りをしたノートルダム大聖堂のすきまを見に行きました。帰りの飛行機の中で読み終わりました。2018/07/10

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