内容説明
ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また―。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
181
予想していたよりも面白かったです。題材はありふれたタイムトラベルモノですが、ロマンス、ファンタジー、ミステリー、トンデモ、サイコ、悲劇そして哲学と盛りだくさんの内容です。テンポよく淡々と進みながらも盛りだくさんの項(先述)が次々に襲い掛かるので少々疲れますが、一回あたりのリプレイがちょうどよい長さなのでページは進みます。しかし、エピローグは次作の伏線なのか?それとも「可能性は無限だ(p469)」を強調するためのものなのでしょうか?後者かな?2017/02/13
zero1
150
誰でも一度は人生をやり直したいと思ったことがあるはず。 では、それって幸福なのか? 主人公のジェフは43歳のラジオディレクター。 心臓発作で死んだと思ったら18歳の大学生に戻っていた。 それを何度も繰り返す。 記憶がそのままなので賭けで大儲けするが、悩みも多い。 超能力者が苦悩するのと似ている。 設定に頼るのではなく、「どう生きるか」を問う作品。 あなたならどうする? 「夏への扉」を連想する人は多いと思う。 私は「11/22/63」(キング)を連想した。 「リピート」(乾くるみ)はオマージュ作品。2018/10/19
nobby
143
恒例の11/7牢獄からの帰還を契機に、ようやく手に取った名作。43才での心臓発作による死から気付けば25年前に戻り迎えたリプレイモード。まずは何度も繰り返しながら良くも悪くも全く違って辿る軌跡を追うのが面白い!遡る毎に前世の記憶が軒並み残っている設定が斬新。その分、人物達がゴチャつき混乱するけど…結構、周囲に影響与える大胆な言動多く感じるも、歴史は揺るがない大雑把な展開は潔い(笑)徐々にリピーターたる意味や解析が進むに連れ、リミットまでの心模様はせつなく…SFとみせて人生を哲学的に問う様は愛に溢れている。2019/11/10
bookkeeper
126
★★★★★ 再読。43歳のジェフは突如心臓発作に見舞われ、気がつくと大学の寮に。意識も記憶もそのままで青年の身体に戻ったのだ。 人生をやり直せるならどうする?誰もが夢見る経験をシミュレートした傑作。歳と共に失われた将来の可能性や愛せたかもしれない憧れのひと、回避できたかもしれない悲劇…。全てやり直せるね。でも考え様によってはRPGで必死に鍛えて稼いだ挙句、セーブデータが壊れて、最初のダンジョンの入り口に戻る羽目になったとも言える?果てしない旅路の果ての滋味に満ちた感動が味わえます。年を経る程感慨深い…。2020/09/04
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
105
突然の心臓発作で43歳で死んだはずのジェフが目覚めたのは18歳の頃の若き自分。知識も記憶もそのままに生まれ変わった人生。リプレイ(再生)のタイトル通りのタイムループもの。もう一度同じ人生を送るのか、はたまた、全く違う人生を送るのか。例え成功を収めたとしても「その時」がくれば再び元に戻ってしまう。タイムループものは幾つかありますが、ちょいと捻りも効いていて面白い。このエンディングも好みです。時は無限では無い、有限だ。だからこそ一度限りの人生は貴重なのだ。そして、未来は予見出来ないからこそ楽しい。★★★★2016/06/12