新潮文庫<br> 158ポンドの結婚

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新潮文庫
158ポンドの結婚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102273050
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

歴史小説家である「僕」には、ウィーンで数奇な育ちをしたウチという妻がいる。一方、「僕」の友人で大学でレスリングのコーチをしているセイヴァリンは、ウィーンで知り合ったヤンキー娘のイーディスと結婚した。これら2組のカップルのユーモラスで鮮烈な夫婦交換の物語を通して浮かびあるがる現代人の内面風景とは?『熊を放つ』と『ガープの世界』をつなぐJ・アーヴィング会心の力編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Vakira

53
もし、僕が親友の妻を好きになってしまったら。そして親友は僕の妻を好きになってしまったら?破局か?番うという人類の子孫存続のシステムを超越する両者納得の二夫二妻生活が始まるのか?いくら夫婦円満だろうが自分個人だって自己嫌悪になる時あるのだから、互いの嫌な面を見る時もあるだろう。それが友人の妻、友人、自分の妻と3倍となる。エゴは破局を誘導する。だからこのケース、究極の協調となる。子供達が家族の絆を強くするはずだが子供の話は180pまで出てこない。しかもちゃんといたんかい。子供<性愛 の生活。なかなかの問題作2021/02/28

メタボン

31
☆☆☆★ 時間軸が複雑なのは前作ウオーターメソッドマンと同じ。実験的だけど、読みづらさが先行して、効果的とは思えなかった。印象的なシーンがいくつか。冒頭のウチカが牝牛の腹に隠されていたシーン、ウチカがレスリングジムでオーガズムを取り戻すシーン、幼女二人が入浴中に割れたガラスを浴びてしまうシーンなど。セイヴァリンの不機嫌が二組の夫婦のスワッピング関係を少しずつ壊していく。2022/04/07

田中

19
この世界の前衛的な風潮の一部に、「夫婦交換」があるのだろう。それが日常生活に含まれた夫婦の心的情景は不可解だった。刺激的なセックスの欲求からなのか、あるいは、逆説になるけれど、夫婦愛を客観的に確かめるためなのか、もしくは、単純なゲーム感覚なのか。僕には、彼ら夫婦の胸の内がさっぱりわからない。おたがいの心をいたずらに損なって、逸するものの方が多いと感じる。が、なんとなく妄想的に読めるのがアーヴィングの面白さ。深夜、レスリングマットでのセックスは、極上の愛の儀式だった。 2019/03/22

メセニ

10
最新作の直後に本作を読むと色々と落差を感じる(それがキャリアによるのか作品単位のことかわからない)けど、アーヴィングが描く物語の原形はこの作品にも十分見て取れる。血の繋がりに関係ない拡大された家族の話であったり、暴力に晒された普通とは違う日常、倒錯した性や関係性、片端の者など…。ここではそれが夫婦交換、乱暴に言えばスワッピングの話として描かれ、二組の夫婦の新しくも逸脱した関係が展開される。昼ドラ的要素に若干辟易しなくもないが、アーヴィングはその手腕で人同士の関係の脆弱さをユーモラスにレリーフにしてみせる。2017/09/23

solaris

10
とても読みにくく、時間がかかった。何だろう、登場人物の考え方に着いていけないし、中盤まで進んできた現在の話に続いて過去のことが意図的に後半になって書かれていたり、わざとここまで読みにくくさせている意図は何かなと思わせた。語り手の僕の語りは鼻に付く、ハルキちっく。脱線が多い話だけど、理論的に組み立てられていると感じるし、場面場面の順番が一回整理され直しているような感じ。なんかうまく読めてない気がする、もう一作読むべし。2016/02/07

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