新潮文庫
抱擁〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 650p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102241110
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ヴィクトリア朝の女流詩人、クリスタベルの研究を続けるモードは、ある日同時代の桂冠詩人ヘンリー・アッシュの調査をしているローランドと出会った。彼はアッシュの書きかけの手紙を発見していた。ロマンスから遠ざかり、恋の煩雑さを避けていた二人の現代の学者は、共に過去を遡り、許されない恋を辿り、しだいに情熱的なロマンスになだれ込んでゆく。ミステリタッチの恋物語。

著者等紹介

バイアット,A.S.[バイアット,A.S.][Byatt,A.S.]
1936年英国生れ。典型的な知識階級の家庭に3人姉妹と弟の長女として誕生。幼時喘息のためにベッドで過すことが多く、読書と創作に親しんだ。ケンブリッジ大を優等で卒業後、学者兼作家として活躍、現代イギリスの最高の知性として愛されている。作家のマーガレット・ドラブルは3歳年下の妹
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

367
原題は”Possession: A Romance”。Possessionは所有といったような意味だろう。『抱擁』という邦題には違和感が否めない。もちろん、その邦訳タイトルから導かれた表紙にも。小説は時間の二重構造の中に展開してゆくのだが、上巻を読む限りではまだるっこしさは否めない。あるいは、むしろそれこそがイギリス文学たる所以だろうか。19世紀と現代という時空を超えた恋を"romance"として語ろうというのだが、読者はその物語構造を紐解いてゆくのを楽しみとし得るか否かを問われることになる。2020/03/12

遥かなる想い

191
1990年ブッカー賞受賞。 英国のロマンス作品だが、物語の大半を 占めるアッシュとクリスタベルの 往復書簡の量と 時折挿入される詩の量に 圧倒されたという印象が強い。 二人の過去の真実を辿る旅.. 過去と現在がどうクロスしていくのか? ローランドとローラが行き着く先には 何があるのか? 下巻に期待したい。2017/05/26

ケイ

102
ヴィクトリア朝の詩人を研究しているローランドは、図書館で詩人アッシュが恋人に書いたと思われる手紙を発見する。そして、クリスタベルを研究するモードと知り合う。ものすごく妄想小説だと思ったら、作者の紹介を見てなんとなく納得した。感想は下巻へ。2016/08/14

NAO

66
19世紀の詩人アッシュの直筆の覚え書きの中から詩人の女性宛の手紙の下書きを発見したローランドは、詩人が手紙を出した相手を特定しようと調査を始める。これまでの研究では明らかにされていない詩人の女性関係を明らかにするという知的冒険。そこに、手紙の受け取り手と考えられる女性詩人について研究している女性モードとローランドとの交流が描かれていく。2021/12/11

たまきら

21
読み友さんから。訳者が完全に原作のとりこになっていることが伝わってくる文章で、うっとりとさせられる反面、正直読みづらい。特に抱擁というタイトルに強烈な違和感を感じる(ここは読むきっかけになった読み友さんと同意見)。一方的な男性社会で称賛される女性美への、女性ならではの違和感について原著では示唆がある気がする。もやもやしつつ下巻へ。2020/06/05

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