新潮文庫
エンデュアランス号漂流

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  • サイズ 文庫判/ページ数 466p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102222218
  • NDC分類 297.9
  • Cコード C0198

内容説明

1914年12月、英国人探検家シャクルトンは、アムンゼンらによる南極点到達に続いて、南極大陸横断に挑戦した。しかし、船は途中で沈没。彼らは氷の海に取り残されてしまう。寒さ、食料不足、疲労そして病気…絶え間なく押し寄せる、さまざまな危機。救援も期待できない状況で、史上最悪の漂流は17ヶ月に及んだ。そして遂に、乗組員28名は奇跡的な生還を果たす―。その旅の全貌。

著者等紹介

ランシング,アルフレッド[ランシング,アルフレッド][Lansing,Alfred]
シカゴ生れ。1940年ノースパークカレッジを中退して海軍に入隊、五年余りを過ごす。’46年ノースウェスタン大学に入学し、ジャーナリズムを専攻した。卒業後、イリノイ州で週刊紙の編集に携わった後、’52年にコリアー誌の専属作家となり、冒険小説を手掛ける。’55年にフリーランスに

山本光伸[ヤマモトミツノブ]
1941年東京生れ。国際基督教大学歴史学科卒業後、編集者を経て翻訳家。ラドラム、マレルなど多くの翻訳を手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

206
渾身のノンフィクション。アムンゼンやスコットに比して日本では知名度が低いシャクルトンではあるが、度重なる生命の危機に直面しつつも、隊員28名が一人も欠けずに果たした奇跡の生還を伝える。数枚のモノクロ写真を挿入しながら、隊員が記した航海日誌を元に書かれているのだが、全ての隊員の行動が圧倒的臨場感で迫り、僕はその舌ざわりや臭いや痛覚に刺激を受け、過酷な状況に激しく震撼し、リーダーの揺るぎなき自信に満ちた決断力に目を瞠る。また、隊員達が屈強な精神の中にも垣間見せる、長所も短所も含めた人間っぽさが愛おしく感じる。2021/11/11

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

127
素晴らしいノンフィクション。南極大陸探検と言えば、スコットとアムンゼンが有名だが、これはそれ以上。何しろ南氷洋で流氷に閉じ込められ、船は破壊し、一年半以上も漂流。最後は救命ボートで荒れ狂う南氷洋を渡りきる。何よりも素晴らしいのは、この漂流の中で28名の乗組員全員が生還することだ。「不屈の精神」という船の名その物の物語である。乗組員募集のキャッチコピー「求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証無し。成功の暁には名誉と賞賛を得る。」はあまりにも有名。★★★★★

はたっぴ

103
【人間に不可能なことを成し遂げさせる何ものかに感謝を捧げて】という献辞(星野さん訳)が印象的。星野道夫さんが日本語出版の橋渡しをされたと知り手に取った。この本を愛読書として持参して、危険なアラスカの地で勇気を奮い起こし、キャンプや撮影を行っていたそうだ。その内容は南極大陸横断を目指したシャクルトン隊長と28人の隊員が南極近海で座礁し、一年半後に生還するまでの記録(写真付)である。地獄の果てのような過酷なサバイバルを乗り越えた隊員達。彼らの行く末に瞬きを忘れてしまうほど没頭した。人間の生命力に大感動の一冊。2016/10/25

goro@80.7

69
南極大陸横断の冒険に出て大陸に上がる手前で流氷に閉じ込められたエンデュアランス号。船を棄てるところから始まるサバイバル。これほど「氷」に纏わる語彙が豊富な物語はないわ。それにしても28名が分裂することなく一人も死なずに1年半も過酷な状況を生き延びたなど信じられない。氷の上でアザラシやペンギン食べて生き、荒れる海に小さなボートで島を目指した。想像もつかないけどトランプしたりバンジョー手離さなかったり、固い強さというよりしなやかな強さがあったからかと思える。星野道夫氏が居なければこの本とも出合えなかったとは。2018/11/01

hnzwd

66
『人間に不可能なことを成し遂げさせる何ものかに感謝を捧げて』という星野道夫さん訳の一説から始まる本書。南極点到達を目指した一団が、様々な不運に見舞われながら南極圏から生還しようとするのですが、、過酷過ぎ。無人島に生きる十六人の雰囲気もありますが、こちらは寒さも敵に回るので、さらに過酷。ラストシーンはあっさりながら、達成感を感じられました。隊員募集のキャッチコピー『求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る。』も凄い。2016/12/12

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