内容説明
深夜の路面電車に乗り合わせた男女の会話は、やがて不思議な結末へと…ふわりとした余韻を残す表題作のほか、急場しのぎにでっち上げ、リールの順番さえ間違えて上映した映画がベネチアでグランプリを受賞してしまう「ドラゴン真夜中に踊る」、ゴルフ場で偶然知り合った同名の老人の過去と自分の過去が、徐々に混じりあっていく「１９番」など、いずれも“ＳＦの抒情詩人”ならではの２５編。
著者等紹介
ブラッドベリ，レイ［ブラッドベリ，レイ］［Ｂｒａｄｂｕｒｙ，Ｒａｙ］
１９２０年イリノイ州ウォーキーガン生れ。幻想と怪奇の短編集『黒いカーニバル』を’４７年に出版。文明批評とノスタルジアに満ちたＳＦ連作『火星年代記』で世界的名声を得た
伊藤典夫［イトウノリオ］
１９４２年静岡生れ。早稲田大学中退（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
36
ジャック・ブラック主演の『僕らのミライへ逆回転』という映画がある。レンタルビデオ店の店員と幼なじみが、二人でハリウッド映画をビデオで勝手につくりかえてしまう。ところが文句を言われるどころか大好評!というコメディだ。それとよく似た内容の短編が、『ドラゴン真夜中に踊る』。起死回生を狙った映画が、酔っぱらった映写技師によって順番がバラバラのまま上映される。ところがその内容が、「ジャンプカットは大胆、(中略)多重遡行ストーリーラインはいままでに見たことがない!(p116)」と大絶賛。2008/11/07
水生クレイモア
14
バラエティに富んだストーリーにポップスのように軽快な文章の短編集。「はじまりの日」、「ドラゴン真夜中に踊る」、「フォア！」が特に好きな話です。2021/05/02
まめこ
13
★★☆☆☆この結末は果たされなかったときより切ない！50年後の新学期の日に再会の約束をした4人の「はじまりの日」。ダブル不倫の清算「心移し」男の嘘は女の為なのか、自分の惨めさを誤魔化すためなのか(笑)。詩的なのかと思ったら隠喩らしいのだが、ほとんどの話がなんの比喩なのか理解及ばず。アメリカの文化を知っていたらもっと楽しめたのかなぁ？せめて表題くらいは理解したかった…！2019/12/01
もなおー
10
ブラッドベリの小説に出てくる人はみんな、よく泣く。とにかく泣く。泣くほど哀しいことがたくさん起きる。でも、読後には生きるのもそんなに悪いことじゃないな、って実感する。2016/03/10
カキ@persicape
10
この作者は心底人間が好きなのだろうと読んでいて感じた。人生を楽しんで筆の糧にしているようにも感じる。そうでないと流れるように弾む会話は書けないんじゃないのかと。『独り舞台』の「われわれは万華鏡であってほしいものと結婚するが、けっきょく結婚した相手は一面だけのダイヤモンドとわかる。」という文章と『それで、あなたの言い分は？』のまとめが素敵で強烈に印象に残った。特に後者は好き過ぎた。というかこの作者が描く男女の会話が好きだ。あぁああぁ原文で読んでみたい(´Д` )完全にハマってしまってえらいこっちゃ...。2015/06/16
