内容説明
アザゼルがね、とジョージが話し出した。絶対秘密だけど、奴は親しくしている悪魔なんだ。身長２ｃｍのチビだけど、人が、いや悪魔が好くてね、困っている友達の願いを何回も叶えてくれた。女の子を美人にしたし、刑事に嘘を見抜く力を与えた。科学狂の運ちゃんに空を飛ばせたこともある。でもなぜか皆幸せにならないんだ…。著者の友人ジョージが語る奇想天外なエピソード１８編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
121
最近読んだ本の中では一番笑った。とにかく可笑しい。欲にまみれた人間の姿を軽妙に描いた連作短編。ジョージが異次元から呼び出す小悪魔のアザゼルが騒動を引き起こす。この悪魔君は身長は2cmと小さいのだが、なかなかの実力の持ち主で音痴の女性を聞く人を魅了する歌姫にしたり、彫刻を血の通うハンサムな男性に変えたりする。キーキー声で話し、容姿は醜いのだが、なかなか親切な生き物。しかしその親切が報われることは少ない。小悪魔の力ぐらいでは、この複雑奇怪な人間の社会を変えるのは難しいのかもしれない、と苦笑しつつ楽しんだ。2017/05/04
KAZOO
108
アシモフの作品ということで読んでみましたが一種のSF小説なのでしょう。たった2センチの悪魔が出てきて問題解決の様な事をしてくれるのですが、それが少し方向違いだったりその悪魔が不機嫌だったりして物語として楽しませてくれます。短編で一つ一つの話は他愛のないものが多いのですが、その悪魔を呼び出してくれる人物や悪魔が面白く楽しめました。2023/09/20
内緒です
21
大学の図書館で借りた本。ジョージの性悪には驚かされるが、ストーリーは星新一のショートショートのようなさっぱりとした面白さがある、素敵な一冊です。2010/12/19
ヒダン
19
ジョージは身長二センチの悪魔アザゼルを召喚できると言って友人の悩みをアザゼルの力で解決した話を私に聞かせる。異世界から召喚した悪魔と言うと一見ファンタジーに思えるが、理論に沿って解決策を提示しているのでやはりSFである。ジョージは好色で毒舌、人の話は聞かず自分の話したいことをまくりたて、金持ちでないのに一度も労働したことがないことを誇るという超個性派。アザゼルやジョージには滑稽さがありにやにやさせておいて、解決策が逆効果になるブラックな結末で引き締まる。言うなればアシモフによる大人向け『ドラえもん』。2016/05/17
拓也 ◆mOrYeBoQbw
17
幻想連作短篇。一言で言うならアシモフ版『笑うせぇるすまん』。願いをかなえる悪魔アザゼルと彼を呼び出すジョージおじさんの怪奇譚を、わたし(アシモフ)が酔ったジョージから聞き出すスタイルで話が進むユーモア短篇集。軽快なブラックユーモアの間にも、アシモフのＳＦ知識や古典、文学の小ネタをチラッと挟んでるのがオシャレですが、細かい事を気にしなくても気楽に読める一冊でした（・ω・)ﾉｼ2015/09/27
