新潮文庫
羊たちの沈黙

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 511p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102167021
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

FBIアカデミイの訓練生スターリングは、9人の患者を殺害して収監されている精神科医レクター博士から〈バッファロゥ・ビル事件〉に関する示唆を与えられた。バッファロゥ・ビルとは、これまでに5人の若い女性を殺して皮膚を剥ぎ取った犯人のあだ名である。「こんどは頭皮を剥ぐだろう」レクター博士はそう予言した…。不気味な連続殺人事件を追う出色のハード・サスペンス。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

483
凝りに凝った構成。ハンニバル・レクターの人物造型も極めて特異。主人公のクラリスは魅力的だが、ハンニバルに比すればどうしても影が薄くなる。あるいは、ハンニバルをこそ主人公としなければならないのかもしれない。ハンニバルを同心円の中心に据え、その周縁にクラリス以下を配する構図を考えるべきだろう。犯人も、犯行の動機もまたかなり常軌を逸している。蛾をキー・コードにしたことも、構成上大きな効果を上げることになった。事件解決に向かう物語の終盤は、やや急転直下の感もあるが、それをまた救っているのがハンニバルの存在である。2021/07/26

遥かなる想い

223
ジョディ・フォスター主演で映画化された本書を読んだ。映画でもレクター博士は特異な存在だったが、小説の中でも異彩を放っており、他の推理小説とは一線を画す存在になっている。 ただ、私の場合、異常犯罪は どうも性に合わないため、途中から引いていってしまったことは 事実である。この手の物語りが大好きな人には たまらないのかもしれない。(1989年このミス 海外第1位)2004/01/01

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

187
あまりにも有名なレクター博士。文字変換で「レク」と入れると自動変換されるぐらい有名。映画は興味あるけど映像怖すぎて観れないので原作で初めましてです。 若い女性の皮膚を剥ぎ取る連続殺人犯、通称「バッファロウ・ビル」が跋扈する世界怖すぎる。レクター博士の知的で紳士的な振る舞いと残酷さ、猟奇的思考のダークヒーローっぷりが素敵で、クラリスの美しさと聡明さにうっとり。チルトンはとりあえず殺したくなります。夜中にチルトンへの苛立ちで絶叫する私。犯罪心理学的な面白さと後半にかけての怒涛の展開に息もつかせぬ面白さでした♡2019/06/29

のっち♬

147
レクターシリーズ第2作。若い女性の皮膚を剥ぐ誘拐殺人犯をFBI訓練生が追う。心理学や昆虫学の議論は元ジャーリストの綿密な取材力の賜物。レクターを稀代の悪役として見事に"肉付け"しており、知性の好奇心とプライド、クラリスの健全ぶり(掘り下げが巧い)に失望する愛嬌、相手を煙に巻く意味深な話術、不気味な静けさからスリラーへの雪崩れ込み、描けば描くほど周囲を喰ってしまう"人喰い"だ。解決編はFBIもクラリスも立ち回りが安直で脱出編に比べて弛緩気味だが、プロファイリング物とサイコホラーの火付け役として不足ない傑作。2023/06/30

jam

101
再読。映画も幾度か観ているが、硬質な訳文の読みづらさが、最後には作品に似つかわしく思える。80年台末の米国、オハイオ州の荒涼な街に被害者宅を訪ねる若きFBI捜査官クラリス。鉄格子のあちらとこちらにいる天才精神科医レクターとクラリスの心理的邂逅、連続殺人犯の闇の深さまで、全体を通し細部の描写が生きている。人肉を喰らい監獄深くにいるレクターが、遥かな高みからプロファイルした殺人犯に迫る緊張感もさることながら、精神科医と患者にだけ存在する信頼関係が危うい。深淵を覗き、深淵にからみとられる怖さが映える作品である。2016/08/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/483147
  • ご注意事項