新潮文庫
殺人にうってつけの日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 527p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102165577
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

協力者の元KGBスパイに裏切られ、妻まで奪われた末に逮捕。元CIA工作員メイソンは、獄中で15年ものあいだ、彼らに対して鉄壁の復讐計画を練り続けていた。ハッキング技術の習得、肉体の鍛錬、周倒な下準備。あらゆる手段を駆使して元妻の幸福な家庭に迫る復讐者が、照準を合わせた意外な人物とは。情報のプロ同士が繰り広げるすさまじい頭脳戦、巨匠による最高峰サスペンス。

著者等紹介

フリーマントル,ブライアン[フリーマントル,ブライアン][Freemantle,Brian]
1936年サウサンプトン生れ。17歳でロンドンの新聞界に入り、国際関係の記事を専門とするジャーナリストとして活躍。『デイリー・メイル』紙の外報部長を務めた後、小説家デビュー。『消されかけた男』をはじめとする英国情報部員チャーリー・マフィン、米露捜査官コンビ、ダニーロフ&カウリーを主人公とした、それぞれのシリーズで知られる

二宮磬[ニノミヤケイ]
1945年静岡県生れ。慶応大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

43
主人公には復讐すべき理由が充分すぎるほどある。元KGBのスパイの裏切りにより投獄され、しかもそいつに妻まで奪われたのだ。しかしこの主人公がまた悪党なのだ。CIAのエージェントでありながら、祖国を裏切りKGBに情報を流すは、妻には虐待を加えるはというとんでもない野郎である。金と快楽のために人を利用することなど屁とも思っていない自己中。読者としてはとても感情移入できない。しかし、読み始めたが最後、因縁のスパイ同士が追う側、追われる側として繰り広げる心理戦から目が離せなくなり、一気読み。2012/02/10

Tetchy

11
上手い。実に上手い。相手に嵌められ、妻まで奪われて刑務所に入れられた男が出所を機に全てを取り戻すため、復讐を企む。今まで何度も使い古されたプロットであるが、そこはフリーマントル、普通の設定にしない。なぜなら復讐者ジャック・メイスンこそ、元妻の安定した生活を脅かす悪の存在だからだ。この通常ならば主人公の宿敵となるべく恐怖の存在を逆に主人公として設定したところにフリーマントルの作家としての一日の長がある。本書は彼の本を初めて読む人にはそういった意味ではまさに“うってつけの”一冊ではないだろうか。2010/04/13

ようへい

9
ソ連の二重スパイとCIAスパイとのガチ対決かと思いきや、彼らは既に一線を退いており、引退して幸せな家庭を築く一方、刑務所の中で復讐の方を燃やす。刑期を終えた元CIAはリベンジマッチを仕掛けるが、お互いに老いてしまっており、何だかもどかしさを通り越して哀愁すら漂う。特に悲惨な中盤以降は悲哀が濃厚。過ぎ去りし日々、全盛期は戻ってこない。哀しみが溢れ出る枯れもの好き小説。2021/08/03

ヨーク

5
前半は冗長で、最後の最後でストーリーが加速。それにしてもメイソンは糞野郎だった。2012/10/21

朱音

5
裏切られた男の復讐譚、となると男の味方になってうまく復讐できることを願うものなのだが、この男がヤナやつで。では、と復讐される側に立ってみても、裏切ったことには違いない訳で。と、考えているうちにも物語りはずんずん進んでいってしまう。男の下準備の周到さ、途中の中身の濃さに対して最後がちょっとあっけない気もするが、上質のサスペンスだと思う。2009/06/05

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